映画『草の響き』の主演を東出昌大が務めることがわかった。
今秋公開の同作は、夭折の小説家・佐藤泰志が1982年に発表した本格的な文壇デビュー作『草の響き』をもとにした作品。東出昌大演じる工藤和雄が、精神の治療のために故郷である北海道・函館の街を走り続け、やがて路上で出会った若者と心を通わすようになっていくことで変わり始める姿を描く。東出が主演を務めるのは『第71回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門に出品された『寝ても覚めても』以来、約3年ぶり。『空の瞳とカタツムリ』の斎藤久志がメガホンを取った。
佐藤泰志の小説の映画化は、菅原和博(シネマアイリス)によるプロデュースのもと、2010年公開の『海炭市叙景』からスタート。以降、2014年に『そこのみにて光輝く』、2016年に『オーバー・フェンス』、2018年に『きみの鳥はうたえる』が発表されてきた。『草の響き』は2020年が佐藤泰志の没後30年に当たることから記念作品として制作。菅原プロデューサーは、東出を主演に選出した経緯として「若かりし頃の佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を一人黙々と走る。そのイメージを考えた時に、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と語っている。
東出昌大のコメント
心を病んだ男がそれでも毎日走る理由は、きっと「良くなりたい」からだと思います。
そして「良い」とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。
楽しみに待っていてください。
- 作品情報
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『草の響き』
2021年秋公開 配給:コピアポア・フィルム、函館シネマアイリス