ジョニー・デップ製作、主演の映画『MINAMATA(原題)』が9月から東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかで公開される。
『第70回ベルリン国際映画祭』で特別招待作としてワールドプレミア上映された同作は、ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスが1975年に発表し、水俣病の存在を世界に知らしめた写真集『MINAMATA』をもとにした作品。報道写真家として評価されながらも心に傷を抱えたユージンが、当時の妻アイリーンと共に熊本・水俣を訪れ、約3年間にわたって人々の日常や抗議運動、補償を求めて活動する様子を写真に収めていく姿が描かれる。
共演者は真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、キャサリン・ジェンキンス、ビル・ナイ。監督をアンドリュー・レヴィタスが務め、脚本をデヴィッド・ケスラー、音楽を坂本龍一が手掛けた。主な撮影はセルビア・モンテネグロで実施。ジョニー・デップは「彼(ユージン氏)は心の中に痛みを抱えていた。でも、水俣が彼の心を再び開いたんだと思う」と語っている。
今回の発表とあわせて海外版予告編が公開。女性が「日本の企業が海に有害物質を流し続けてる。住民は助けを求めてる、世界の注目を、あなたの力を」と訴える姿や、真田広之演じる人物がメガホンを手に「人類最後の戦争にしようじゃありませんか!」と声を荒げる様子、遺影を掲げる人々の姿、ジョニー・デップ演じるユージンの「撮りたいものに集中するんだ、そして伝えたいことに」という言葉などが確認できる。
なお、2021年5月1日で水俣病公式確認から65年を迎える。
ジョニー・デップのコメント
W・ユージン・スミスに、昔からとても興味がありました。彼が辿ってきた人生や、彼が体験したこと、そして、何を犠牲にして、あのような瞬間を写真に捉えることができたのかなどを知りました。
そして、水俣に関する記事を読み、知識を深めていくうちに、実際にそれが起こったという事実に衝撃を受けました。しかも、その影響は解決されたわけではなく、未だに続いているということは、それ以上に衝撃的なことです。一人の関心を持つ者として、この歴史は語り継がれなければならないと思いました。映画の持つ力をフルに活用して、伝えたいメッセージを発信することが、私も含めて、ここにいる我々の願望でした。
我々は皆、ただの一片のホコリで小さな力なのです。もし私たちが窮地に立たされたとき、誰かが率先して、巨大な壁を壊そうとすれば、きっと大勢の人々が後に続いてくれるはずです。
※『第70回ベルリン国際映画祭』公式記者会見から一部抜粋
- 作品情報
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『MINAMATA(原題)』
2021年9月からTOHOシネマズ 日比谷ほかで公開監督:アンドリュー・レヴィタス 脚本:デヴィッド・ケスラー 音楽:坂本龍一 出演: ジョニー・デップ 真田広之 國村隼 美波 加瀬亮 浅野忠信 岩瀬晶子 キャサリン・ジェンキンス ビル・ナイ 上映時間:115分 配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
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