長塚圭史演出の舞台『KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」』の全キャストとスタッフ、公演スケジュールが発表された。
『近松心中物語』は、秋元松代が近松門左衛門の『冥途の飛脚』をはじめとする3作品を1つの世界に盛り込んで書き下ろしたオリジナル作品。元禄時代の大阪・新町を舞台に、一目惚れした梅川を身請けしようとする飛脚屋亀屋の養子・忠兵衛、忠兵衛に思いを寄せる遊女・梅川、忠兵衛の幼なじみで身請けの手付金を貸す古道具商傘屋の婿養子・与兵衛、与兵衛の妻・お亀が織り成す物語を描く。音楽をスチャダラパーが担当。
出演者は田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河、綾田俊樹、石橋亜希子、山口雅義、清水葉月、章平、青山美郷、辻本耕志、益山寛司、延増静美、松田洋治、蔵下穂波、藤戸野絵、福長里恩、藤野蒼生、朝海ひかる、石倉三郎。
真面目な忠兵衛役を田中哲司、大店の婿養子として身の置き所のない想いを抱く与兵衛役を松田龍平、大尽から身請け話が持ち上がる梅川役を笹本玲奈、与兵衛に恋い焦がれるお亀役を石橋静河、忠兵衛の飛脚屋仲間・丹波屋八右衛門役を石倉三郎が演じる。そのほかの出演者はそれぞれ複数の役にキャスティング。福長里恩と藤野蒼生はダブルキャストとなる。
同公演は9月4日から神奈川・横浜のKAAT神奈川芸術劇場、9月25日と26日に福岡・北九州芸術劇場、10月1日から愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT、10月8日から兵庫・兵庫県立芸術文化センター、10月13日に大阪・枚方市総合文化芸術センター、10月16日と17に長野・まつもと市民芸術館で上演。神奈川公演のチケットは7月下旬から販売予定。
長塚圭史のコメント
元禄の世に咲いた境遇の違う二つの恋の情景は、格差を問われる現在により深く突き刺さります。
この戯曲の煌びやかさの本性を改めて炙り出し、台詞の深淵を紐解いて、現在ここに追い詰められた生の肉体を描き出したいのです。
金に追い詰められる忠兵衛と梅川のあまりに切ない境涯と、裕福ながらも自ら堕ちることに愛を見出す若いお亀の純真。
そしてそうした世間と折り合いがつかぬかのようにこの情景を心に留めて次代へ繋がってゆく与兵衛。
この四人の人間模様を現代に抽出したい。神奈川県が生んだ稀代の劇作家秋元松代の代表作。
KAAT神奈川芸術劇場初のシーズン制、演出第一弾に決めたことは必然と言って過言ではありません。近松門左衛門の浄瑠璃から元禄の人間模様を力強く現在に描き出した秋元戯曲の台詞の力を体現出来ればと。
ANI(スチャダラパー)のコメント
芸術監督からのご指名により、大役任されました。
期待に添えるよう気張っていきます。Bose(スチャダラパー)のコメント
数々の名優、作家たちによって再演が繰り返されてきた大きな作品の音楽を担当するにあたって、我々としては「まともに立ち向かっても勝てるわけがない」を合言葉に、反則スレスレのカウンターパンチを狙って、頑張っていきたいと思っています。
SHINCO(スチャダラパー)のコメント
令和と江戸を繋ぐという長塚さんのチャレンジに、何とか力添えになれるよう、スチャダラなりのやり方で頑張りたいと思います。
- イベント情報
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『KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」』
作:秋元松代 演出:長塚圭史 音楽:スチャダラパー 出演: 田中哲司 松田龍平 笹本玲奈 石橋静河 綾田俊樹 石橋亜希子 山口雅義 清水葉月 章平 青山美郷 辻本耕志 益山寛司 延増静美 松田洋治 蔵下穂波 藤戸野絵 福長里恩 藤野蒼生 朝海ひかる 石倉三郎 神奈川公演 2021年9月4日(土)〜9月20日(月・祝) 会場:神奈川県 横浜 KAAT神奈川芸術劇場 ホール 福岡公演 2021年9月25日(土)、9月26日(日) 会場:福岡県 北九州芸術劇場 中劇場 愛知公演 2021年10月1日(金)~10月3日(日) 会場:愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール 兵庫公演 2021年10月8日(金)〜10月10日(日) 会場:兵庫県 西宮 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 大阪公演 2021年10月13日(水) 会場:大阪府 枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール 長野公演 2021年10月16日(土)、10月17日(日) 会場:長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
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