珠川こおりのデビュー小説『檸檬先生』に50人超がレビュー&イラストを寄稿

企画『#わたしの檸檬先生』が「tree」で実施されている。

5月26日に刊行された珠川こおりのデビュー小説『檸檬先生』は、音や数字に色がついて見える「共感覚」を持つ小学3年生の孤独な「私」が、檸檬色の瞳を持つ中学3年生の少女と出会うことから物語が展開。18歳の珠川は同作で『第15回小説現代長編新人賞』を史上最年少で受賞した。装画は『ブルーピリオド』の山口つばさが担当。水野良樹(いきものがかり)、茂木健一郎、宮内悠介、朝井まかて、伊集院静、薬丸岳らがコメントを寄せているほか、ぽぷりか(Hurray!)が制作したPVが公開されている。

『#わたしの檸檬先生』は、同作をモチーフにしたレビューやイラストを美大生やアーティストが発表する企画。これまでに西原彩香、やましたあつこ、小澤幸歩、ジト、ナツ、コシノアイリ、大竹玲央、城蛍、久保晶、薬師神トモミ、タカナリアキ、松田惟吹、阿澄沿線、entrance、Maja、すゑ、吉鹿未菜、藤桃、なかのあ、豊田珠久、yn、はした、うめ、ototoi、ろくだ、aya、田口沙也、ヒロヨシ、空、CH.、甘酒、長島有輝、サワラ、ワタゲ、すずきあすみ、夜鈴メ、おばけにく、鍬本雄大、Qノ、竹山ライオン、SEZE、きのみ、境由理、空想放映、MkRk、やえ、秋草、きいろ、ハノミトリ、ジュンコーセー、ポン・デ・朝青龍が参加している。

水野良樹(いきものがかり)のコメント

本を開けば白黒の紙面のうえで、色と音とが踊る。読み終わり、それが幻だったとしたら、あなたは耐えられるか。

茂木健一郎のコメント

先生は鮮烈な青春そのもの。みずみずしい感覚で心が開かれる傑作。 

宮内悠介のコメント

『こころ』の末裔か令和の『彼岸先生』か。全体に血が通っていて、小説を読む原初の喜びのようなものがあった。

朝井まかてのコメント

音と色の響き合う世界を見事なまでに小説に引き込んだ。その生きづらさ、苦しさだけでなく、新しい世界に目を開かされた瞬間があった。台詞と地文に新鮮な発露があり、檸檬先生の台詞には実がある。

伊集院静のコメント

作品のテーマが珠川さんの背中を押している気がした。何より支持できたのは対象を見つめる無垢にも似た視点から言葉を紡いでいる点だった。これは才能であろう。

薬丸岳のコメント

共感覚という独特な感性を小説として描こうとした意欲を大きく買い、またそれが見事に成功していると思える作品だった。

書籍情報

『檸檬先生』

2021年5月26日(水)発売 著者:珠川こおり 価格:1,485円(税込) 発行:講談社
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