岩井俊二の小説『零の晩夏』が本日6月25日に刊行された。
岩井にとって初の美術ミステリーとなる同書は、写実画家・三重野慶の作品に触発され、執筆した作品。美術雑誌の編集部に勤め始めた八千草花音は、絵のモデルになった人は「遠からず」死ぬという噂の写実画家「ナユタ」の特集を担当することになるが、高校時代の後輩・加瀬の助けを借りながら素性不明の「ナユタ」の正体を探るうちに、思いがけない事実に行き当たるというあらすじだ。装画を三重野慶、装幀を城井文平が担当。
ウェブサイト「本の話」では本日6月25日から同書の第1章「絵」から第7章「ナユタ」までを順次公開。さらに、三重野の作品が登場し、音楽をChimaが手掛けたPVが到着した。
岩井俊二のコメント
時に絵は一瞬で見る者を魅了する。何かが心に刻まれる。言葉にするのは難しい。あの感覚を小説で表現できないだろうか? そんな無謀な発想からこの物語を書き始めた。浮かび上がってきたのは、自分でも意外なほどねじくれた業の深い物語だった。
- 書籍情報
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『零の晩夏』
2021年6月25日(金)発売 著者:岩井俊二 価格:1,980円(税込) 発行:文藝春秋