塚本晋也監督の映画『野火』が今夏に東京・渋谷のユーロスペースほか全国32館でアンコール上映される。
戦後70年に当たる2015年に初公開された同作は、大岡昇平の小説『野火』をもとにした作品。日本軍の敗戦が色濃くなった第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、結核を患った田村一等兵が、野戦病院から追い出され、部隊からも拒否され、空腹や孤独、太陽の熱さと戦いながら原野を彷徨う姿が描かれる。塚本監督が田村一等兵を演じたほか、リリー・フランキー、中村達也、森優作が出演。
制作当初から「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本監督の思いに共感した劇場では、毎年アンコール上映を実施。初年度からの劇場、自主上映を含む総観客数は約9万5千人にのぼる。
上映劇場などの詳細はオフィシャルサイトで確認しよう。
塚本晋也監督のコメント
『野火』。今年で7年目の上映になります。
毎年多くの劇場さんが上映してくださること、多くのお客様が劇場に足を運んでくださること、あらためて喜びと感謝の念が溢れてきます。
今の世の中に『野火』が必要と思ってくださっている証と思います。ウイルスの蔓延で世界のありようは大きく変わりましたが、世の中はよりエキセントリックにギスギスしてきていると感じます。
長い間戦争をしない国でいられた日本は、すでに大きく様変わりして止めることが困難になってきた状況ですが、皆がほんとうに望む方向に正確に進んでくれることを願うばかりです。
『野火』はその一助になると信じています。『野火』を、せひ今年も、劇場で、体感くださいませ。
塚本晋也
- 作品情報
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『野火』
2021年夏にユーロスペースほか全国で上映監督・脚本:塚本晋也 原作:大岡昇平『野火』 出演: 塚本晋也 リリー・フランキー 中村達也 森優作 上映時間:87分 配給:新日本映画社
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?