サイモン・スティーヴンス作、松居大悟(ゴジゲン)演出の舞台『パルコ・プロデュース2021 「Birdland」』のキャストと公演日程が発表された。
2014年にキャリー・クラックネル演出で世界初演された『Birdland』は、富や名声によって変えられ、観衆に消費されていくロックスター・ポールのワールドツアー最後の1週間を描く作品。日本初演となる。
主演を務めるのは上田竜也(KAT-TUN)。共演に安達祐実、玉置玲央、佐津川愛美、目次立樹、池津祥子、岡田義徳が名を連ねる。
同公演は9月9日から東京・渋谷PARCOのPARCO劇場、10月9日に愛知・刈谷市総合文化センター、10月15日から京都・京都劇場、10月30日から福岡・久留米シティプラザを巡る。東京公演のチケットは8月14日から一般販売開始。
松居大悟(ゴジゲン)のコメント
パルコ劇場で見た『ピローマン』の帰り道は、いまだに覚えている。母とスペイン坂を降りながら、シネマライズの向こうに広がる小さな夜空。「やばかったね」「ね」と会話にならない会話で駅までの時間をなんとなく埋めながら、埋まらない心のデコボコをなんとなくなでていた。そのザラついた衝撃を忘れられないまま僕は演劇を始めて、ゴーチ・ブラザーズに入って、いつか自分もパルコ劇場で舞台を…なんて思いながら、こうして今、発表の日を迎えた。
色んなことがあった。こんな日は来ないと思っていた。やれるんだ、パルコ劇場で。どんなに悔しい傷を作品に刻みつけたって、悔しいことが確かにあったものだと気づくだけで。でもその傷を以って、誰かの傷に寄り添うことはできる。
サイモン・スティーヴンスの戯曲は、いつも体温の向こうにある心の温度まで感じるほど、人と人、を描いてくる。とくに今回の日本初上演作『Birdland』は、ロンドンで生まれたとは思えないぐらい、人の温もりから離れた今の日本でやるべきテーマだと思っています。座長の上田竜也さんからは、色気と繊細さ、嘘がつけない佇まいを感じていて、トム・ヨークなどをイメージして書かれた主役のポールをどう生きるのか楽しみです。20人近くの役を背負う7人のキャスト、自分にはもったいないぐらいのスタッフ、新パルコ劇場ではまだ若すぎるかもしれない座組みで無防備に挑みます。
あの日見た『ピローマン』に人生を変えられてしまったように、ザラついた景色をスペイン坂の帰り道に見せたいです。
この場を借りて、行儀の悪い自分にパルコ劇場での上演の機会をくださり、尽力してくださった皆さん、本当にありがとうございます。必ずや、面白い作品にします。
パルコ・プロデュース『Birdland』。
ぜひ劇場でご体感ください。上田竜也のコメント
「Birdland」は、なかなかエグイ話もあるのですが、とても興味をそそられています。
ごく一部の限られた人しかなれないスター性を持っている人は、衝動的で、狂っていく様だったり、生きざまで魅力をバクハツさせていて、短くても凝縮された人生を送っている方が多いイメージがあります。僕が演じるポールも誰もが認めるスターでありながら、自分で破壊しようとしていく様はあらゆる意味での「スターである事」が備わっていて、それ自体と戦っている印象を受けています。
演出の松居大悟さんともお話しさせていただいて、自分の意見も伝えて話し合いながら創っていけそうで、とてもありがたいですし、松居さんをはじめ共演者の方々とは年が近い方も多く、どんな稽古場になるのか、今から楽しみです。
いま準備中なので、どんな作品をお届けできるかはこれからですが、観に来てくださる皆さんの約2時間に何かを残せる作品にしたいと思います。是非、劇場でご覧ください。
- 作品情報
-
『パルコ・プロデュース2021 「Birdland」』
作:サイモン・スティーヴンス 演出:松居大悟 出演: 上田竜也 安達祐実 玉置玲央 佐津川愛美 目次立樹 池津祥子 岡田義徳 東京公演 2021年9月9日(木)~10月3日(日)全28公演 会場:東京都 渋谷PARCO PARCO劇場 愛知公演 2021年10月9日(土)全2公演 会場:愛知県 刈谷市総合文化センター 京都公演 2021年10月15日(金)~10月18日(月)全5公演 会場:京都府 京都劇場 福岡公演 2021年10月30日(土)、10月31日(日)全2公演 会場:福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール 料金:各公演11,500円
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?