ドラマ『忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段』が12月にNHK BSプレミアム、NHK BS4Kで放送される。
前後編で構成される同作は、落語や講談の演目『中村仲蔵』で知られる江戸時代の歌舞伎役者・初代中村仲蔵が、厳しい階級制度で縛られた歌舞伎界で貧困、いじめに苦しみながら、裸一貫から這い上がる実話をベースとした物語。当時の芝居小屋を巨大セットで再現し、今夏に京都・東映京都撮影所などで収録される。脚本と選出を『スローな武士にしてくれ』『ライジング若冲』の源孝志、音楽を阿部海太郎が担当。
努力と才智でスターの座を掴む初代中村仲蔵役に中村勘九郎、仲蔵の妻・お岸役に上白石萌音、謎の侍役に藤原竜也、狂言作者・金井三笑役に段田安則、仲蔵の才能を見抜いて抜擢する四代目市川團十郎(二代目松本幸四郎)役に市村正親がキャスティング。そのほかの出演者に中村七之助、谷原章介、若村麻由美、尾上松也、大東駿介、高嶋政宏、名取裕子、笹野高史、石橋蓮司、吉田鋼太郎が名を連ねる。
中村勘九郎のコメント
中村仲蔵のことは父(十八代目中村勘三郎)が三代目仲蔵の伝記「手前味噌」に大変感銘を受け愛読していたので、よく聞いていました。仲蔵ゆかりの志賀山三番叟を踊ったこともあります。江戸時代、初代勘三郎が興した中村座に出演し、中村座を救った人でもあるので、その役を演じられることに不思議な縁を感じます。今回とても素晴らしい芝居小屋のセットに足を踏み入れ、思わず泣きました。持って帰りたい!仲蔵は差別を受け大変苦労した人ですが、芝居が好きという情熱に支えられていたと思います。「好き」こそ人を奮い立たせ、上達させ、信念を与えるものです。そんな情熱を感じていただけたら本望です。
上白石萌音のコメント
「令和元年版 怪談牡丹燈籠」以来、再び源監督のもとでお芝居ができることが心底うれしいです。
脚本はやはり本当に面白く、夢中で読んでしまいました。お岸は、こんな女房が家で待っていたら愉しいだろうな、というような女性です。三味線と唄で仲蔵さんを癒やし、励まし、勇気づけられるよう、朗らかに務めたいと思います。これ以上ないほど豪華な出演者の皆様による「芝居」の真髄。もうすでに完成が待ち遠しいです。ぜひご期待ください。藤原竜也のコメント
僕の撮影は2日間だけでしたが、内容の濃い2日間でした。勘九郎さんと空気を合わせて、芝居を作っていく感じがとても楽しかったです。「もっともっと一緒に演っていたいな」って思わせてくれるような人ですね。刀や傘のさばき方は非常に難しかったですが子供のころから厳しく作法を仕込まれている歌舞伎俳優さんから直接教えてもらえたのは貴重な経験でした。最初から最後まで楽しめる贅沢な作品になると思います。
段田安則のコメント
勘九郎さんが仲蔵を演じられるのは、ピッタリだと思いますが、その仲蔵をいじめる狂言作者の役ということで演じがいがあります。今も昔も嫌味な演出家やプロデューサーはいて、大人の事情で配役が決まったりとかあったのでしょうね。みんな芝居が心底好きでそのためなら命がけというのも一緒でしょう。ヒエラルキーの厳しい世界で成り上がっていくサクセスストーリーですが、そうそう簡単に成功はさせませんよ。大きな障害として立ちはだかって仲蔵をいじめたいです。(笑)
市村正親のコメント
歌舞伎は昔から演技の勉強のために拝見していました。勘三郎さん(十八代目)の芝居に感激してファンレターを送ったこともあります。今回歌舞伎役者を演じられるのは役者人生のごほうび。天国で勘三郎さんもびっくりしていることでしょう。歌舞伎は見るとやるとでは大違い!ミュージカルでも「歌いすぎるな、芝居しろ」と言いますが、歌舞伎独特の語調の心地よさを感じさせながら、ぐっと芝居心を入れるのにはどうすればいいのか、悩みながら一生懸命演じています。
- 番組情報
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『忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段』
2021年12月にNHK BSプレミアム、NHK BS4Kで放送脚本・演出:源孝志 音楽:阿部海太郎 出演: 中村勘九郎 上白石萌音 中村七之助 谷原章介 若村麻由美 尾上松也 大東駿介 高嶋政宏 藤原竜也 名取裕子 笹野高史 石橋蓮司 吉田鋼太郎 段田安則 市村正親
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?