ビジュアルで物語にのめり込ませるための理論と実践を紹介する書籍が刊行

フランシス・グレイバスの書籍『ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方 視線を導き、感情に焦点を当てるためのストーリーの設計図』が8月26日に刊行される。

『アラジン』『ライオン・キング』『ポカホンタス』など、40年以上にわたってストーリーボードアーティストとして活動し、映画『くまのプーさん/完全保存版II ピグレット・ムービー』の監督を務めたフランシス・グレイバス。

観客や読者を「楽しませる」方法の原理、テクニックをグレイバスの経験を交えて解説する同書では、実際の制作現場と同じ手法を用いて、『千夜一夜物語/アラビアンナイト』を題材にしたオリジナルのストーリーボードを使用。制作に関わる基礎知識から、人物や動物のデッサン、構図の意図を引き立てる照明と色彩、英雄の旅や記号論を使った創作論、作品に一貫性をもたせる編集方法まで、ビジュアルで物語にのめり込ませるための理論と実践を紹介する。翻訳は吉田俊太郎。

ロイ・E・ディズニーのコメント

フランシス・グレイバスは本書で、映画制作のための、とりわけ監督のための工夫や技術について、わかりやすくて刺激的な考察をまとめている。一見単純に思える質問をたくさん投げかけるという彼のアプローチには、彼が教えようとする優れたストーリーテリングと同じ効果がある。私たちを引き込み、自分で考えさせるという効果だ。この業界に属する人もそうでない人も、映画制作というジャングルの中を苦労して進むのに役立つアイデアを、この本からまったく見つけられない人などまずいないだろう。

ジェフリー・カッツェンバーグのコメント

フランシス・グレイバスはディズニー屈指の才能豊かなストーリーボード・アーティストであり、そんな彼をストーリー・チームに迎え入れられた私たちは幸運だった。そんな彼の豊かな経験は分かち合ってしかるべきものだ。

フランシス・グレイバスのコメント

ストーリーボーディング(絵コンテ)とは、映画の視覚的プランを立てる時に使われるツールのことだ。それは文字で書かれた脚本を視覚的な図面に書き直す作業とも言えるもので、一連の絵を通してストーリーを語ることを意味する。演出とは、脚本に書かれたページを、観客を「楽しませる」エキサイティングなアクション(行動)を描いた場面へと、魔法のように変換させるプロセスを指す。映画の演出と編集の過程において、最初に通る段階がストーリーボーディングだ。これは最も重要な段階であり、映画の最初の一コマが撮影される以前に必ずつくられるべきものだ。

本書に掲載されているストーリーボードは、実際の映画制作で使われるものと全く同じ形式でつくられている。ストーリーボード・アーティストはまずラフなデッサンで着想に取り組み、ストーリーが機能した段階で、そのデッサンを磨いてゆく。本書では様々な仕上げの段階のデッサンを見ることができる。
※『ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方 視線を導き、感情に焦点を当てるためのストーリーの設計図』所収「人はなぜ見るのか」から抜粋

書籍情報

『ストーリーボードで学ぶ物語の組み立て方 視線を導き、感情に焦点を当てるためのストーリーの設計図』

2021年8月26日(木)発売 著者:フランシス・グレイバス 訳者:吉田俊太郎 価格:3,400円(税抜) 発行:フィルムアート社
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