渋谷直角の新作漫画『世界の夜は僕のもの』の表紙と、著者、江口寿史、ヒコロヒー、コナリミサトのコメントが到着した。
1975年生まれの渋谷直角は東京都出身の漫画家、コラムニスト。これまでに『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』『デザイナー 渋井直人の休日』などを発表している。
9月29日に刊行される『世界の夜は僕のもの』は、1990年代を生きた若者たちの夢、恋愛、友情を綴った連作短編集。『CUTiE』『Olive』『COMIC CUE』『i-D JAPAN』、渋谷PARCO、ソニープラザ、アフタヌーンティー、THE BODY SHOP、HYSTERIC GLAMOUR、アニエスベー、ダウンタウン、NATURAL HIGH、魚喃キリコ、岡崎京子、安野モヨコ、Jamiroquai、Fishmans、サニーデイ・サービスといった様々なカルチャーが詰め込まれている。「日刊SPA!」では第1話が無料公開中。
江口寿史のコメント
溢れ出そうな記号の中のたったひとつのリアル 若者が求めるのはいつだって恋と革命だってこと まだ誰も描いていなかった90年代ジャパニーズ・グラフィティヒコロヒーのコメント
いつの時代も切実な 若者の『よすが』を 描いた普遍の物語コナリミサトのコメント
登場人物全員が いとしいです。 世界の夜は僕のものだ。ずっと渋谷直角のコメント
自分が、モロに青春時代を過ごした90年代のことを描くっていうのは、少し後ろ向きな気がしてしまって、ちょっとどうかなとこれまでは思っていました。 でも、近年、20代のバンドやミュージシャンの人と話をしていると、あんまり自分たちの若いころと変わんないかな、と思ったり、同じようなことは90年代にもあったよな、と思うことも多いので、単純におじさんのノスタルジーという着地にならずに物語を描けるかもしれないという気分になって、いっちょやってみようかと思いました。 同時に、90年代の、あんまり今では振り返られないようなところとか、どうでもいいような部分をミッチリ描いておきたい、という気持ちもありました。大枠のことは今でも情報として残されているけど、当時の自分たちの気分とか価値観と、その時々の流行は密接なので、情報として抜け落ちてしまっている細かい機微とか雰囲気も同時に残しておけると、ひとつの価値が出るかな、と思いました。 現象だけ切り取ってこうだった、というより、連綿と続くカルチャーなり文化の歴史の中の、90年代部門にヌルッと入っているような、今にも繋がっているカケラがたくさんあるような漫画を、今回は描けたらいいかなあと思いました。90年代をテーマにした作品も最近は割と増えているので、一部のニッチなところ(自分なら描けるかも、というところ)を執拗に描いた作品として楽しんでもらえたらと思います!
- 書籍情報
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『世界の夜は僕のもの』
2021年9月29日(水)発売 著者:渋谷直角 価格:1,320円 発行:扶桑社