バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール

一度見たら忘れたくても忘れられない強烈なルックスと仰天必至のパフォーマンスで、ライブ会場を熱狂させてきたザ50回転ズが、長い長いブランクを経てカムバック! 1年10ヶ月ぶりの新作『ロックンロール・マジック』は、彼らのロックンロール愛が様々な角度から溢れ出た楽曲を、ぶっ飛んだストーリー仕立てに並べた6曲入りのミニアルバムで、初回盤にはなんと、『片腕マシンガール』や『古代少女ドグちゃん』で知られる奇才・井口昇監督が、収録6曲を丸々1本の映画にしたDVD付き。最高にバカバカしくて、最高にロマンチックなザ50回転ズの3人を直撃!

(インタビュー・テキスト:タナカヒロシ)

アルバム全体をストーリー仕立てのPVにしたらおもろいんちゃう? みたいな話になって。

―いよいよ移籍第一弾『ロックンロール・マジック』が完成しました。1年10ヶ月もリリースが空いたけど、その間は何を?

ダニー:曲作りとツアーと。いわゆるバンドの仕事を。いい曲できてんなーと思ってるのに、レーベルがなかなか決まらずに作品を出せる目処が立たなくて。レコーディングができないこの寂しさ!

ドリー:待ってくれてる人もいるし、早く新作を出したい気持ちはあったんですけど、常にライブはしてたし、曲もできてたので、実はそれほど心配はしてなかったですけどね。

ボギー:僕も不安はなかったんですけど、まわりから「最近なんか出したん?」みたいなことをよく言われて。そこで「うーん、ちょっとねー、いまねー」って言うのがけっこう辛くて(笑)。

ダニー:「レコード最近出したん?」「おー、出したでー。去年の1月」「け、けっこう前やな…」みたいな(笑)。でも、今作がこれだけ濃密になったのは、そのブランクのおかげというか、練り上げる期間があったのがよかったんやなと思いますけどね。コンセプトをしっかり決める時間もあったし。

―そのコンセプトは、どんな感じで決まったの?

ダニー:まずはミニアルバムでいこうという話になって。その時点で作っていた曲を統一感が出るように選り分けていったら、何やらロマンチックでダサげなタイトルであったり、フレーズであったり、メロディーラインであったりの曲が集まったんですよ。こういう曲ができてるってことは、いま俺たちはこれがやりたいっていうことやから、これでいこうぜと。それで、さぁ制作にかかろうぜというときに、アルバム全体をストーリー仕立てのPVにしたらおもろいんちゃう? みたいな話になって。じゃあ、俺がストーリー考えますわって。

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
写真手前がダニー

―そのストーリーが原案になって、監督/脚本・井口昇、主演・ザ50回転ズのショートムービーになり、初回盤にDVDとして付属されると。

ダニー:そうなんですよ。そのストーリーをかいつまんで言うと、1曲目の"I can not be a good boy"でロックンロールにガツーンとやられた子が、タイムマシーンに乗ってロックンロールの黄金時代に旅をするというものやったんですね。間違えて80年代に不時着して、ハードロックバンドと対決したりとか、細かいことはいっぱいあるんですけど、そういうストーリーを組んで、入れる予定の曲を見直したときに、肝になるタイムマシーンに関する歌がないことに気付いて。それで、そのストーリーありきで、タイムマシーンとロックンロールの魔法をテーマに"夢見るタイムトラベラー"を書いたんです。

ドリー:タイムマシーンの曲がほしいなぁって言った次の日くらいに、歌詞も含めてできてたよね。

ダニー:テーマが決まってたから、まぁスラスラできる。80年代のちょっとダサめの歌謡曲みたいな歌詞をロックンロールに乗せて歌いたいなと思ったんですよね。今回そういう80sフレーバーが随所にふりかけられたタッチにもなってるし。だから統一感を出すためにも、タイムマシーンを歌うんやったら、ちょっとダサいアプローチでいこうぜって。それで今回の6曲が揃って。

発表するメディアがロックンロール・ミュージックか映画かっていうだけで、世界は違えど、同じ水の中に生きとる人やなと思ったんですよね。

―井口監督が映像を撮ることになったのは、どういう流れで?

ダニー:PV専門の音楽っぽい監督より、ストーリーを撮り慣れた映画畑の人のほうがいいと思ったんですよ。でも、ストーリーがストーリーなんで、オーソドックスな絵を撮り慣れてる人じゃダメでしょって話になって。ある種ザ50回転ズのバカげたキャラクターに合ったバカげた人のほうが、相乗効果が期待できるんじゃないかっていうので、こちらから一方的に白羽の矢を立てたのが井口さんだったんです。

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
写真右手前、手を挙げて指示を出す井口監督

―井口監督のことはもともと知っていて?

ダニー:ドリーは知っとったらしいけど、俺はほとんど初めてで。いろいろと作品も見させていただいたんですけど、もう最高にバカバカしくて。好きな映像を撮りたいがために、後からストーリーを変えてるんだろうなっていうのが明らかにわかるんですよ(笑)。でも、それは俺らと一緒だなと。好きなことをやりたいがために、下手したらアルバムのコンセプトまで変えてまうみたいな。発表するメディアがロックンロール・ミュージックか映画かっていうだけで、世界は違えど、同じ水の中に生きとる人やなと思ったんですよね。

―僕も井口監督の作品をちゃんと見たことなかったんですけど、ネットで調べたら「バカだなぁ〜」という作品ばかり出てきて(笑)。

ダニー:そうなんですよ! でも、ロックンロールって、バカげた人がいっぱいいるじゃないですか。例えばオカマ全開でピアノに乗っかって踊るリトル・リチャードとか。井口さんは映画界のリトル・リチャードなんじゃないかと思うんですよ。

ドリー:ぶっ飛んでるよね。

ダニー:でも、井口さんもロックンロールに対する漠然とした憧れは昔からあったらしくて。音楽性としてのロックンロールではなく、ロックンロールという存在のなかにあるロマンチックな感じというか。ああいうのって大切だよねみたいな話をしてくれはって。この人はわかってるな、お願いしてよかったなと。

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
ショートムービー撮影風景

―実際の制作過程としては、ダニーが作ったストーリーを井口さんに見せて、映画を作ってくださいと?

ダニー:そうですね。原案をお渡しして、そこからざっくりとしたシナリオをもらって、ここはこうしましょうみたいなやり取りをして。それで第一稿があがってきたら、もう直すところがないくらい素晴らしかったと。素晴らしかったというか、バカバカしかったというか(笑)。

ボギー:突っ込むところしかなかった。

ダニー:だいたいこの「サンダー裸隊」って何!?(笑)

―「サンダー裸隊」っていうのは?

ダニー:森の中に棲むヒッピームーブメントのゲイ集団みたいなのがいて。

―あー、あれはサンダー裸隊って名前だったのか(笑)。

ダニー:ほかにも水着のゾンビギャルとか、セーラー服の鉄仮面美少女とか「君が撮りたかっただけやろ!」みたいなものばっかりで。とにかく突っ込みどころが多すぎて。

やっぱロックンロールって、バカバカしくてなんぼやと思っとるんですよ。

―井口監督とは事前にどんな話を?

ダニー:一度ライブを見に来ていただいたんですけど、そのときに「意外にかっこいいね」「二枚目のかっこいいザ50回転ズも撮らせてください」って言われて。いままでは俺らの写真だけ見て「三枚目でいこう!」っていう人ばっかりだったんですけど、ようやくわかってくれる人が出てきてくれましたと。それで意気揚々と撮影に入ったんですけど…、どこが二枚目の50回転ズやねん!

ドリー:二枚目と言えるシーンは1回もなかったよね(笑)。

ダニー:ゼロですよ、ゼロ! ビックリしましたわ。まぁ、二枚目の線も撮りたいと言ってもらえただけでも、純粋にうれしかったんですけど。

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
ショートムービー撮影風景

―実際、演技はどうだったの?

ダニー:ほぼ我々の好きなようにやらせてくれましたね。でも、井口さんの譲れんポイントが各所にあって。「ダァ〜ニィ〜」ってスローモーション風にやってくださいとか。「後でスローにするんじゃないんですか?」「いや、スローモーション風にやりましょう」と。なんのこだわりなんやろう? と思いながら。で、それを撮ってるときって、モニターを見てる井口さんが一番笑ってるんですよ(笑)。

ボギー:ゾンビに追っかけられながら歌うシーンとか、監督が後ろから見てゲラゲラ笑ってたし。僕の演技はメンバーからも定評のある棒読みでしたけど(苦笑)、監督の求めてることがわかりやすかったので、そういう意味ではやりやすかったですね。

ドリー:俺らもライブでお客さんを楽しませるのは当たり前として、やっぱり自分たちも楽しみたいじゃないですか。それと同じ感じがしましたね。もちろん監督も見てくれる人を楽しませる気持ちはあるだろうけど、自分が一番楽しんでる感じがして。

―DVDのほうは、そういうバカバカしい部分を楽しんでほしい?

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
ショートムービー撮影風景

ダニー:それはありますね。やっぱロックンロールって、バカバカしくてなんぼやと思っとるんですよ。さっきもリトル・リチャードに例えましたけど、ロックンロールって、ショーマンシップを発揮して、サーカスのようなショーであるべきやと思うんですよね。レコードに関しても、ステージに関しても。

ドリー:ロックンロールってそういうエンターテインメントなところが魅力やと思うし、このバンドは特にそういうことを押し出してるから。

ダニー:だから、そのバカバカしい側面は、DVDでかなり網羅できたなと思うんですよね。昔からバカバカしいロックンロール映画ってあるじゃないですか。今回も参考にした『ファントム・オブ・パラダイス』とか、ビートルズの『イエロー・サブマリン』とか、パンクで言ったら『グレート・ロックンロール・スウィンドル』とか。ああいうバカバカしい飛躍の仕方で、「俺らこんなんやってんねん、おもろいやろ!」っていうのが好きなんですよね。

ドリー:あの爆発感というか、言葉ではちょっと言い表せない、グシャ、ドーン! みたいなのが、ロックンロールにもあるじゃないですか。それが伝わったらいいなと思います。

ダニー:だから曲をやってなんぼとかは思ってないですね。ワンステージ、ワンショー、ワンパッケージでなんぼやと思ってるんで。だって、俺らがおとなしく座ってエレキ弾いてたら嫌でしょ。おもしろくないですもん。スポーツ刈りとか、アシンメトリーで斜め分けとかしてたら、ひとつもおもろないわ。

こんなバカげた大人が生きてていいんやみたいなことを、ティーンの子たちに思わせられたらっていうのは、一種の夢でもありますね。

―CDのほうは同じ曲だけど、ロマンチックな香りがプンプンしてるよね。タイトル曲の"ロックンロール・マジック"に象徴されてると思うんだけど、ザ50回転ズの作品って、いつでも音楽の魔法を信じてる感じというか、希望みたいなものが常にあるよね。

ダニー:そうなんですよ。ロックンロールって、ロマンチックな側面もあるじゃないですか。特に"ロックンロール・マジック"の歌詞は、ロックンロールに出会ったときの感情を思い出しつつも、お前がおったら大丈夫な気がしますっていう、明日にかけるロマンチックさがあって。

―お前=ロックンロールってことだよね。

ダニー:そう。ロックンロールに捧げるラブソングですよ。…そうや! めっちゃ重要なこと思い出した! 中学生のときに、タイマーズとか、ラモーンズとかを見たら、いい大人がこんなバカげたことやっていいの!? って感じると思うんですよ。こんなん楽しくてしゃーないねんってやってる姿を打算的に見てほしいというか。こんなバカげた大人が生きてていいんやみたいなことを、ティーンの子たちに思わせられたらっていうのは、一種の夢でもありますね。

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール
ショートムービー撮影風景:左がボギー、右がドリー

―確かに中学生がザ50回転ズを見たら、トラウマ級に記憶に残るかも。

ダニー:俺はブルーハーツを見て、こんなおかしな動きをしながら歌う人ってアリなんや!? と思ったし、タイマーズを見て、こんなに過激なこと言っちゃっていいんですか!? とか、ラモーンズ、か、かっこ…いいんですかこれは!? みたいな。そういうところに憧れたんですよね。際どいロックンロールっていうか。それこそリトル・リチャードのオカマもそうやし、踏み越えてはいけないラインを楽々飛び越えてるバカげたロックンロールバンドって、グッときたんですよ。

―ダニーがそうやって電撃を受けたときの感覚を、このアルバムを聴いた中高生に感じてもらえればってことだよね。

ダニー:それは自分らが好きなことやって楽しむのとは別の、ちょっとした希望というか、夢というか。おセンチメンタルかもしれないですけど、そんな考えもありますよ。ロックンロールなんてダサいと思ってる子も最近は多いじゃないですか。自分らが言うのもなんやけど。だからそこで、こんなかっこええんやで、たまらんのやで、ロマンチックなもんやねんで、っていうのが言いたかったアルバムなのかもしれんですね。

―ザ50回転ズにとっても、改めてロックンロールが好きなことを確認できた作品に?

ダニー:そうなんですよね。改めて見直した1年10ヶ月でもあったので。いろんな音楽も聴いたり試したりしたんですけど、やっぱりロックンロールやなと。それは音楽性としてのロックンロールだけじゃなくて、姿勢とか全部含めて。やっぱロックンロール最高やなと思って。

―そんな作品を携えたツアーも始まりましたけど。

ダニー:やっぱり新しいレコード持って、いろんな街に行くっちゅーのは、うれしいもんですよ。俺が徳島に住んでたり、ドリーが出雲に住んでた頃も、THE NEATBEATSとか、THE HAVENOT'Sとか、ツアーばっかりまわってるバンドが来てくれて、うれしかったっすもんねー。だから俺らのライブを楽しみにしてくれるキッズがおる限り、訪ねていきたいなと思いますね。

『ロックンロール・マジック』の、最高にバカバカしく、無駄にスゴい名シーン集

 

ザ50回転ズ最新作『ロックンロール・マジック』において、楽曲とともに絶対チェックしてほしいのが、奇才・井口昇監督が指揮をとったショートムービー(初回盤のみDVDで付属)。最高にバカバカしく、無駄にスゴい名(迷?)シーンの数々を、井口監督に振り返ってもらいました。

ぐるぐるバットで50回転

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール

物語冒頭、ロックンロール少年院に収容された50回転ズの3人は、「バンド名からイメージしたのが回転している姿だったので」という井口監督の迷惑な思いつきにより、「ぐるぐるバット」をやらされるハメに。「カットにカットを重ねて100周くらい回ったのに、たった5秒しか使われてない!」と抗議するダニーに対しても、「ついつい役者さんに大変なことをやらせてしまいたくなるんですよね(笑)。真夏の炎天下のなかで文句も言わずにやっていただけたメンバーの方はすごいと思いました」(井口)って、何のフォローにもなってません!

 

段ボール楽器

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール

段ボールで作った楽器を手に、大真面目な顔で"I can not be a good boy"を歌うというシュールなシーン。「いわゆるカッコつけたPVにはしたくなかったんです。段ボールで演奏したら、もっと笑えるシーンになるかと思っていたのですが、意外とカッコよくなったので、ザ50回転ズさんは〈本物のロッカーだなー〉とビックリしました(笑)」(井口) しかしこのシーン、ドラムのボギーには異論が…「ダニーとドリーはそれっぽい段ボールやったからええけど、俺が〈ハイ、どうぞ〉って渡された楽器、割り箸やで!」

 

鉄仮面少女

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獄中で何度も脱走に失敗するザ50回転ズの前に、突如として現れた女神はセーラー服に鉄仮面!? その理由を井口監督に尋ねると、「映画『ファントム・オブ・ザ・パラダイス』に登場する鉄仮面の怪人のパロディをやろうと思ったんですけど、セーラー服を着せたら可愛いかなと思って」という意味不明な答えが…。しかも、この後のシーンで鉄仮面少女はなぜか下着姿に。しかもローファーと白ソックスは穿いたまま。どう考えても監督が見たかっただけのような…。ちなみに鉄仮面少女を演じた泉カイちゃん、素顔はめっちゃかわいいです。

 

チンピラコスプレ

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「ザ50回転ズさんは、70年代のチンピラ映画の登場人物のような、やさぐれたイメージがあるので、ぜひ"チンピラコスプレ"をさせてみたいなーと思って」(井口)という動機(≒思いつき)により、完全にストーリー展開を無視して始まったのが、ヤクザの親分を暗殺する写真のシーン。"いけないビート"をBGMにコミカルな動きで暗殺を実行する様は、「チンピラの<実録ヤクザ映画風ミュージカル>は今までなかったジャンルだと思うので、挑戦してみたいなと思ってやってみました」(井口)という斬新で笑える仕上がりに。

 

水着ゾンビギャル

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場面は変わり、ザ50回転ズの3人が降り立ったのは2111年の未来。「"S.O.S!"という曲のタイトルから、女性ゾンビに追われているメンバーのイメージが沸いて来ました」(井口)と、ここまでは納得いく発想だったのだが…。「ゾンビがビキニだったら、さぞかし面白かろうと思って、考えてみたのが水着ゾンビギャルです」って、なんでそーなるの!? とにもかくにも、水着ゾンビギャルに追われて恐怖の表情を浮かべるザ50回転ズの迫真の演技は必見。いったい怖いんだかエロいんだか、興奮しちゃった男性諸君は筋金入りのエロ認定!

 

サンダー裸隊

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール

ダニーが瀕死の重傷を負い、悲しみに暮れるザ50回転ズの前に現れたのは、だらしな〜い体型をしたヒッピー風の中年たち(=サンダー裸隊)。
井口:踊れない人たちのダンスを見てみたかったんですよ。かっこいい人たちをバックに踊るのは当たり前だけど、かっこ悪い人たちの前で歌うのは、逆にかっこいいんじゃないかと。
ダニー:逆の逆を行き過ぎてなんのこっちゃわからん!
井口:ザ50回転ズさんは何やってもかっこいいから、かっこ悪い状況に追い込んだときに、本来のかっこよさが出てくるんじゃないかと(笑)。
ダニー:そういうのを詭弁って言うんですよ!

 

壮絶なバトルシーン

バカバカしくて最高な「ザ50回転ズ」のロックンロール

物語のクライマックスでは、鉄仮面少女との壮絶なバトルシーンが勃発! っていうか、ギターから光線が出たり、カンフーバトルがあったり、監督のやりたい放題も最高潮。監督曰く、「今回のコンセプトになっていた70年代のアメリカのロックミュージカルには、火花や光線が飛び散る作品が多かったので、それを再現してみたらこうなってしまいました」って、再現の仕方を間違ってるような…。カンフーのシーンについても、「ダニーさんの髪型がブルース・リーっぽいので」って、思いついたら設定をねじ曲げてでも実行に移してしまう監督、恐るべし…。

 

このほかにも突っ込みどころ満載、というか突っ込むところがありすぎて拾いきれない約30分は、爆笑&失笑のオンパレード! バカと天才は紙一重という言葉を地でいく奇才・井口監督と、はちゃめちゃなストーリーをなんの違和感もなく演じきったザ50回転ズによる渾身のムービーは必見です!!

リリース情報
ザ50回転ズ
『ロックンロール・マジック』初回限定盤(CD+DVD)

2010年11月17日発売
価格:2,300円(税込)
Sony Music Associated Records / AICL-2185〜2186

1. I can not be a good boy
2. 夢見るタイムトラベラー
3. いけないビート
4. S.O.S!
5. サンダーボーイ
6. ロックンロール・マジック
[DVD収録内容]
・井口昇監督によるショートムービー、予告編に加えメイキング映像を収録

プロフィール
ザ50回転ズ

2004年富田林の「大阪ロックンロール少年院」に収容されていた(という設定)、「徳島の酔いどれ」ダニー(Gt,Vo)、「出雲の妖怪」ドリー(Ba,Vo)、「浪速のドラ息子」ボギー(Dr,Vo)の3人が少年院にて奇跡の出会いをし、結成。チャック・ベリー、ラモーンズ、マミーズなどロックンロール・パンク・サーフ・ガレージ等のバンドから多大なる影響を受ける。これまでに2枚のミニアルバム、3枚のアルバムを発表。デビュー以来、アメリカ/オーストラリア/ドイツと海外ツアーも精力的に行い、国内のみならず海外のロックファンも虜にしている。そのロックンロールを完全に顔現&体現した完璧なライブパフォーマンスには定評がある。



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