2014年は、演劇の神様ウィリアム・シェイクスピアの生誕450年。世界中、そして日本中でさまざまな公演・関連企画が催されている。池袋では『あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014』と題して、今年2月から約1年にわたり15の演目が上演される。直球な演劇作品から落語、ダンスまで多彩な企画が目白押す本企画だが、今回注目したいのは、EXILEを溺愛する異色の演出家・杉原邦生が手がける『ハムレット』と、同時期に劇場ホワイエにて巨大な段ボール城『シェイクスピア城』を築く美術家の本濃研太だ。エネルギッシュな演出と造形で人気を集める二人の若き表現者は、演劇の神様シェイクスピアにどのように立ち向かうのか? 今回のインタビューが初対面となる二人に、EXILE愛、段ボール愛、そしてシェイクスピア愛について尋ねた。
EXILEのコンサートは、TAKAHIROが本当に厳しいオーディションを勝ち抜いて、ここまで辿り着いたというドラマ性もアツくて。そういう部分にスゴく演劇的なものを感じちゃうんです。(杉原)
―今回『あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014』にそれぞれ新作で参加されるというお二人ですが、今日が初顔合わせなんですよね。
杉原:初めましてですね。
本濃:初めまして。お話する前に杉原さんのことを調べておこうと思ってウェブサイトを見たんですけど……プロフィール2行目の「EXILEオフィシャルファンクラブ『EX FAMILY』会員」が気になってしまって。そこから先が頭に入らなくなっちゃいました(笑)。
杉原:そうなんですよー。だいたいあそこで皆さん引っかかってしまって(笑)。TAKAHIROってわかります? 彼が2006年に新ボーカルとして加入した頃に、「EXILEのライブは、とにかくエンターテイメント感がハンパない!」って噂を聞いてチケットを取ろうとしたんですけど、まったく入手できなくて。
本濃:本当にすごい人気ですよね。
杉原:とにかくEXILEは今、日本のコンサート界の演出でトップレベルだと。そう聞いちゃうと、自分も演劇人の端くれですから、実際に自分の目で観て確かめてみたいって思ったんです。でもチケットが全然取れなくて。それがとにかく悔しくて、もう半ば意地でファンクラブに入ったんですよ。
本濃:ファンクラブに入ったらチケット優待とかありますもんね(笑)。実際に観られていかがでしたか?
杉原:もう、やっぱり凄くて圧倒されましたね。最先端の技術を「これでもか!」と演出に取り込んでいて、とにかく観せるということに対して計算され尽くされている。あと、TAKAHIROも本当に厳しいオーディションを勝ち抜いて、ここまで辿り着いたというドラマ性もアツくて。そういう部分にスゴく演劇的なものを感じちゃうんです。現実に起きているドラマ性込みでライブを楽しむみたいな。お客さんに観てもらう作品、という意味では一緒じゃないですか、演劇もライブも。気楽にクラブとかライブに遊びに出かける感じで、「今日は演劇に行くんだよ」「マジで? アツイね!」っていう感じになったらいいのに、って、観ながらずっと思ってたんですけど。
本濃:EXILEからたくさんのことを学んでいるんですね。
杉原:自分の作品にもろに反映されてるわけでもないですけど、もともと「お祭り」が大好きなんですよ。みんなでバーッと盛り上がるような……。いきなりEXILEの話ばっかりですみません(笑)、やっぱり引っかかりますよね? だいたい演劇とEXILEってつながらないですからね。
本濃:ファンだったらこんなに面白いものはないだろうなって思います(笑)。
渋さ知らズの舞台美術を作ったときは、チーム作業になかなか慣れなくて。でも、終わったら楽しかったことしか覚えてない。(本濃)
杉原:でも、本濃さんが段ボールで彫刻を作ろうと思ったきっかけってなんだったんですか? 今日の取材のお話をいただいたとき「段ボール彫刻家の本濃さん」とあって。え、そんなジャンルがあるの? って、まず思ったんですよ。僕は美術に全然詳しくないから。
本濃:明確にはないと思いますけど、日比野克彦さんとか段ボールを素材にしている人はいますね。小さい頃から絵を描くのは好きで、普通の大学に通った後に美術の専門学校に行って、そのあたりから今の段ボール彫刻を始めたんです。最初はお金をかけないで大きいものを作りたいと思ったんですよ。大きい作品を作るのは楽しいですし、手に馴染んだ素材だから作りたいイメージに近づけやすいんです。
杉原:渋さ知らズの舞台美術も手がけていますよね。舞台との接点はどこから生まれたんですか?
本濃:渋さ知らズとも関わりが深い「風煉ダンス」っていう劇団のメンバーがやってる「niwa-coya」というギャラリーで展示したことがあって。そこで風煉ダンス主宰・演出の笠原真志さんにお会いしたんです。笠原さん、ただでさえ眼の大きな人なんですけど、昔上演した野外劇の話を爛々と目を輝かせながら話すんですよ。それで「面白そうだなあ!」って。
杉原:実際にやってみてどうでした?
本濃:楽しかったです。途中はもうイヤになったこともありましたけど。もう二度とやらない! って(笑)。普段は全部一人で制作して、スケジュールも立ててやっているので、チーム作業になかなか慣れなくて。でも、終わったら楽しかったことしか覚えてない。
杉原:舞台は共同作業ですからねえ。それの良さと煩わしさがありますよね。
本濃:でも、杉原さんは演出だけじゃなく、舞台美術も作るって聞いたので、今日はちょっと緊張しているんです。
杉原:緊張しないでくださいよ(照)。舞台美術と美術作品はまたちょっと違いますからねえ。
たぶんみんな「シェイクスピア様~!」ってありがたがっちゃって、(短いバージョンもあるのに)長い作品をやるんですよ。(杉原)
―「あうるすぽっと」で、シェイクスピア生誕450年を記念して開催される『シェイクスピアフェスティバル2014』に、杉原さんと本濃さんはそれぞれ新作舞台とインスタレーションを発表されるわけですが、今回のオファーがあったときはどのように思われましたか?
杉原:じつは『ハムレット』をやりたいと言い出したのは僕のほうだったんです。「KUNIO」は今回で11回目の公演なんですけど、前作10回目の作品で一回りした感じがあって。次のステップとして演劇の王道にぶっこんでみたいと思っていたところ、ちょうど良いタイミングであうるすぽっとさんがこのフェスティバルを企画しているという話があって。でも、ぶっこんでみたらぶっこんでみたで大変で。『ハムレット』って、すでにいろんな演出家がやっているし、ガチで演出の手腕が試される感じがあって。だから自分で選んで、自分の首を絞めている感じですね、今は(笑)。
本濃:過去の上演と比べられちゃいますもんね。
―シェイクスピアはやはり手強いですか?
杉原:手強いですね。ちょっとやそっと手を加えたり、奇をてらったことをやろうとすると、全部すり抜けていってしまう感じがあって。僕の演出では、よく金の紙吹雪を降らせたり、ミラーボールを回したり、ラップを取り入れたりするんですけど、今回はそれを一切やらないようにしようと思っていて。
本濃:へえー。
杉原:『ハムレット』って作品は、もういろんな方がいろんな演出をすでにやっているから、とりあえず僕はどシンプルに真っ向勝負で行こうと思ってます。『ハムレット』って、もともと3種類の台本があるんです。一番最初に刊行されたのが「Q1」っていう短いバージョンで、今回僕が使うもの。今、日本で上演されている『ハムレット』って「Q2」や「F1」という長いバージョンのものがほとんどで、上演時間が4時間もあるんですよ。
本濃:4時間は長いですね。寝ちゃうと思う(笑)。
杉原:ま、僕はこれまで上演時間が8時間半ある『エンジェルス・イン・アメリカ』とか、6時間ある『東海道四谷怪談』なんていう作品をやってきたんで、4時間くらいは平気なんですけど(笑)。でも、今回はあえて短いバージョンの「Q1」を選んだんです。それだと上演時間も2時間ちょっとくらい。あ、そういえば、どうやら「Q1」を日本で上演するのは今回が2例目らしいんです。
本濃:シェイクスピアって、日本規模で言ったら1年中どこかで演じられていると思うんですが、「Q1」の前例が1つしかないってすごいですね。
杉原:不思議ですよね。たぶんみんな「シェイクスピア様~!」ってありがたがって、長いほうをやるんですよ(笑)。ま、もちろん理由はそれだけじゃないですけど。
―縁起物感覚(笑)。
杉原:でも、やっぱり長いバージョンのほうは台詞も長いから、俳優がみんなとにかく早口でしゃべって、結局言葉がよくわからんみたいな状況になりがち(苦笑)。それは本末転倒だし、勿体ないと思っていて。だから、短い「Q1」バージョンを使うことで、早口にもせず、きちんと言葉をお客さんに届けようと。今回の上演のために新しい翻訳を作ってもらったんですが、シェイクスピアの言葉って面白いんですよ! 京都大学でシェイクスピアの劇作術を研究している桑山智成さんという方に翻訳をお願いしたんですけどね。
本濃:ふんふん。
杉原:そもそもシェイクスピアの戯曲って、セリフが韻文と散文に分かれているんです。リズムを刻んで韻を踏んでいる箇所と、会話調に近い散文になっている箇所の2つがあるんです。でも、それをちゃんと処理して上演している『ハムレット』を僕は観たことがなくて。みんな散文っぽく言っちゃうんですよね。話し言葉に近づけて、言いやすいテンポで。それを今回なんとかできないだろうか、というのが僕なりの宿題。だから稽古はすごく地味ですよ。桑山さんが日本語のリズムを気にして翻訳してくださったんですが、それでもなかなか普段使わないタイプの言葉だから、リズムの勘所が掴めなくて。
―でもそれって、杉原さんにとってけっこう新境地ではないですか?
杉原:そうなんです! 今回きちんと演出ができれば、10年目にして僕はちゃんとした演出家になれる気がする。EXILEが好きな、ただのパーティーピープルじゃなく(笑)。
―「Q1」が短いのは、カットされてしまっている部分もあったりするんですか?
杉原:たしかに「Q1」をテキストとして読むと、シェイクスピアの詩的な台詞の面白さが削がれている感じはありますね。「Q2」や「F1」を文字で読んでいくと、長い台詞の中に詰まっているいろいろな情景や感情が豊かな言葉によって浮かんでくるんです。でも、それを俳優が舞台上で発声して聞くとなると、やっぱり長くてしんどい。それでも英語だとはっきりと韻を踏んでいるから気持ちいいリズムが自然に出るようになっていて、お客さんも苦じゃないらしいんですけど。だから、日本で上演する際の台本としては、「Q1」のほうが優れていると僕は思うんです。でも、上演史を紐解いてみても1983年に「演劇集団円」が上演して以来、他にはちゃんとした記録が残っていない。
―その1983年版の「Q1」がどんな内容だったのか気になりますね。
杉原:だから、今回の上演が話題になれば、KUNIO版『ハムレット』が日本の演劇シーンにおける「Q1」の定本になるかもしれないぞ、っていう期待もしています(笑)。
シェイクスピアっていうと、仲代達矢がものすごく悲しい顔をしていたり、鹿賀丈史がめちゃくちゃ悪そうな顔しているイメージしかなくて。(本濃)
―本濃さんは、今回のインスタレーション作品について、どのように取り組まれているんですか?
本濃:僕は『ハムレット』さえ知らなかったんですよ。シェイクスピアっていうと、仲代達矢がものすごく悲しい顔をしていたり、鹿賀丈史がめちゃくちゃ悪そうな顔しているイメージしかなくて(笑)。だから依頼をいただいたときは「どうしたものか?」って少し悩みましたけど、あえてできるだけ勉強せずに立ち向かっていこうと。
杉原:ノーガードで(笑)。
本濃:動物の作品を作るときも、なるべく正確な情報を入れないようにして、あえて怪しいイラストとかを参考にするんです。たとえば、江戸時代の人がイメージした象の姿とかって、とても魅力的だなと思っていて。でも最近はインターネットで調べるとすぐに出てきてしまうから、誘惑に負けることも多いですけれど。それでついにこの間、買っちゃったんですよ。『シェイクスピア名言集』。3週間前くらいに買って、ぜんぜん進んでないですけど……というか開いてもいない(笑)。
杉原:あれ?(笑)
本濃:あうるすぽっとのホワイエに、段ボールで作った中世風の城を建てて、その中にシェイクスピアの名言を書き入れることになっているんですが……。
―どんな城を建てる予定なんですか? ファブリックや音楽を融合させたインスタレーションを作る、Yuca Takahashiさんとの共同制作になるようですが。
本濃:Yucaさんは布製の花園をお城の隣に作るようですね。僕は3メートルくらいの高さの城を建てます。実際に人が入れるようになっていて、その中にシェイクスピアの登場人物の絵が描かれていて、名言を喋っている、という感じです。でも本当に建つのかどうか心配で。
杉原:建たなかったら大変ですね。
本濃:たぶんそこが最大の見どころだと思います(笑)。城は本当に建つのか! っていう。
古典って、現代の感覚とは距離があるように思うじゃないですか。でも、じつはこんなに面白くて、こんなにかっこいいぞ、というのを新しく提示したいっていうのが、KUNIOを始めたモチベーションだったんです。(杉原)
本濃:演劇の世界には、杉原さんみたいな人って他にも多いんですか? 演出も美術も両方やる人って。
杉原:日本ではあまり多くないと思います。演劇の演出家だと串田和美さんが有名ですね。そもそも日本の演劇界では、自分で台本を書いて演出もする作家兼演出家というのが多いスタイルで。美術はともかく、演出だけっていうのが珍しいんです。
本濃:台本は書かないんですか?
杉原:書かないですねえ。僕、作文とか大嫌いで、文字にまったく興味がないんですよ。
本濃:芝居の人なのに!(笑)
杉原:本を読むのも嫌いなんです。だからもう演出家として致命的で(笑)。「この作品を演出するぞ!」って自分で決めても、本を読み込まなきゃいけない時間が一番苦痛で、なんでこんなことしなきゃいけないんだろう……って。
本濃:正直ですね(笑)。
―それでも、杉原さんが主宰されている「KUNIO」は玄人好みのする、わりと読むのに苦労するような作品が多い印象がありますが……。
杉原:そうなんです(苦笑)。いわゆる古典と言われている作品って、現代の感覚とは距離があるように思うじゃないですか。でも、じつはこんなに面白くて、こんなにかっこいいぞ、というのを自分の演出で新しく提示できたらいいなっていうのが、KUNIOを始めたモチベーションだったんです。だから、読み込むとどれも面白いんですよ。でも、そこまでがんばらなきゃいけないのが苦痛……(笑)。
舞台美術の人って、公演が終わってしまったら、作った美術に愛着ないですよね? そこが僕とは違うなあって、いつも思うんです。(本濃)
本濃:杉原さんが演出と作家ではなく、舞台美術をやろうと思ったのはどうしてなんですか?
杉原:僕も小さい頃から絵を描くのが好きだったんですよ。それで舞台美術をやろうと思って京都造形芸術大学の舞台芸術学科に入ったんです。
本濃:美術の方が先だったんですね。
杉原:さっきお祭り好きって言いましたけど、そもそも学校の文化祭とかで、みんなで1つのものを作ったりするのが大好きで。それで「毎日お祭り騒ぎできるわー!」ってワクワクして舞台芸術学科に入ったら、まあ大間違いで(笑)。みんな演劇のことよく知ってるし、オチャラケてないし。でもいろんな演劇を美術の視点から観ていると、たとえば俳優の動きとか、照明の当て方とか、音響とか、もっとちゃんと美術的な視点でコントロールすれば作品としてまとまりが出るのに、って思うことが多くて。でも、それは舞台美術だけの問題ではないじゃないですか。じゃあ演出やろう! って、路線変更をして。
本濃:へえー。
杉原:だから脳みそが2つあるんですよ。美術脳と演出脳。そのせめぎあいです。美術家の僕が盛り上がってAというプランを立てても、演出家の僕が「それ、いらなくない?」ってツッコミを入れて、「やっぱそうですよね」っていう脳内会議が自分の中であって。結局、最終的には演出家脳の判断でいらないものが削ぎ落されてシンプルになっていくっていう。
本濃:でも舞台美術の人って、公演が終わってしまったら、作った美術に愛着ないですよね? そこが僕とは違うなあって、いつも思うんです。
杉原:公演が終わったら全部ゴミですからね。笠井叡さんっていう舞踏家が「舞台作品を作るということは、ゴミを作る勇気が必要だ」っておっしゃっていて。残すためではなくて、一瞬のためのゴミを作る勇気を持たないといけないと。
本濃:その思い切りが僕には信じられないんですよね。すごいなって思います。
杉原:だから僕も、自分の作品に関しては舞台美術だけの記録写真って興味がないんですよ。生身の俳優が空間の中にいてこそ、舞台美術の良さがわかると思うんです。
本濃:僕はあまり舞台を観に行かないんですけど、よく考えたら不思議ですよね。舞台上で演じている人がいて、それをみんなで真剣に観てるっていうのは。
杉原:うん。だから演劇ってけっこう特殊な芸術だと思うんです。その瞬間しか成立しないもので、その瞬間に人が集まらないと成立しないから。そういう人が集まってくる場という意味でも、僕はやっぱり「劇場」が好きですね。
シェイクスピアの作品は普遍的だからずっと愛されてきたのはもちろんだけど、物語も本人もミステリアスだから、今も人を惹き付けるのかもしれない。(杉原)
―でも、そもそもシェイクスピアの魅力って何なんでしょう。僕らは漠然と演劇の神様みたいに思っていますが、なぜここまでシェイクスピアは愛されるのか。
杉原:研究書もハンパない数ありますからね。一生かかっても読み切れないくらい。僕は数冊拾い読み程度しかできてないですけど、とにかくそれぞれの読み込みが激しくて。このセリフをこう解釈すると、じつはハムレットとオフィーリアは兄妹で近親相姦なんじゃないかとか……。
本濃:ほうほう。
杉原:正直「そんなのお客さんにはわかんねーよ!」って感じなんですよ。それはそれで主張としては面白いんですけどね(笑)。
―そうやって何通りも解釈できる果ての無さが魅力なのかもしれないですね。
杉原:そうですね。「A+B=C」です、っていうようなわかりやすい作品だったら、みんなそんなに研究しないだろうし。描かれていることが普遍的だからずっと愛されてきたということはもちろんあると思いますけど、物語もシェイクスピア本人もどこかミステリアスな部分があるから、今も人を惹き付けるのかもしれない。
―『ハムレット』は7月の京都公演を皮切りに、豊橋、札幌を巡演して、最後に東京・池袋のあうるすぽっとで上演されます。今まさに稽古中なわけですが、俳優の皆さんの反応はいかがでしょうか?
杉原:みんなでいろいろ試したり、ふざけたりしながら、ワイワイやっていますね。稽古場はすごく楽しいです。作品が書かれた当時の社会状況とか価値観とか、台本についての細かい部分は翻訳してくださった桑山さんに教えてもらって「なるほど」ってなったり。『ハムレット』という作品にみんなで立ち向かっている感じです。で、僕個人は「ヤバイなー、シェイクスピアマニアとか、研究者が観に来て文句言われたらやだなー」とか思ってます(笑)。ま、そういうスリルも含めて楽しいんですけどね。
―本濃さんはいかがですか?
本濃:僕はシェイクスピア初挑戦なので、ファンにどう受け入れられるのかなと……。大抵の美術家は、シェイクスピアに挑む機会なんてないと思うけど(笑)。もう変化球勝負ですね。3割のお客さんが「シェイクスピアだ!」って喜んでもらって、7割が「なんか違う気がする……」って文句言っちゃう感じがいいかなと思ってます。とにかく城が建つように頑張りたいです!
- イベント情報
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- 『あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014』
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2014年8月1日(金)18:30開演
2014年8月2日(土)、8月3日(日)13:00開演
会場:東京都 東池袋 あうるすぽっと
演出・美術:杉原邦生
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:桑山智成
出演:
内田淳子
菊沢将憲
箱田暁史(てがみ座)
福原冠
岡野康弘(Mrs.fictions)
熊川ふみ(範宙遊泳)
後藤剛範(国分寺大人倶楽部)
森田真和
田中真之(劇団俳優座)
重岡漠(青年団)
笹木皓太(あんかけフラミンゴ)
むらさきしゅう
木之瀬雅貴
鍛治直人(文学座)
料金:一般3,500円 学生2,500円(全席指定) 豊島区民割引(在住・在勤、要証明書提示)3,000円 障害者割引(介助者1名まで、要障害者手帳提示)2,000円
※豊島区民割引および障害者割引チケットはあうるすぽっとチケットコールでのみ取扱。『ホワイエ展示 シェイクスピア城』
2014年8月1日(金)~8月3日(日)、8月12日(火)~8月31日(日)10:00~17:00
会場:東京都 東池袋 あうるすぽっとホワイエ
料金:無料ワークショップ『Yucaさんと自分だけのお花を作ろう!』
2014年8月1日(金)11:00~14:00
会場:東京都 東池袋 あうるすぽっとホワイエ
講師:Yuca Takahashi
料金:無料(予約不要)
※不要になった古着など(薄い生地が望ましい)持参、31日までの開催期間中はいつでも制作可能
- プロフィール
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- 杉原邦生(すぎはら くにお)
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1982年生まれ。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科在籍中より、演出・舞台美術を中心に活動。2004年、自身が様々な作品を演出する場として、プロデュース公演カンパニー「KUNIO」を立ち上げる。歌舞伎演目上演の新たなカタチを模索するカンパニー「木ノ下歌舞伎」には2006年より参加、『CoRich舞台芸術まつり!2013春』でグランプリを受賞した『黒塚』、『フェスティバル/トーキョー13』公式プログラム『東海道四谷怪談-通し上演-』などを演出。こまばアゴラ劇場が主催する舞台芸術フェスティバル『サミット』ディレクターや、『KYOTO EXPERIMENT』フリンジ企画のコンセプトを務めるなど、活動の幅を広げている。
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- 本濃研太(ほんのう げんた)
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1978年北海道生れ。神奈川県在住。2003年よりダンボール彫刻を中心に活動。個展やグループ展での発表のほか演劇、音楽、ファッション、雑貨とのコラボレーションも行っている。2012年には宮城県の古民家を再生した「風の沢ミュージアム」にて半年問、自身最大規模の展覧会を開催。また、調布市せんがわ劇場にて公演された、劇団「風煉ダンス」の『ゲシュタル島崩壊記』の舞台美術を担当。2013年には神奈川芸術劇場にて公演された、渋さ知らズ大オ一ケス卜ラ『天幕渋さ船~龍轍MANDALA~』に美術として参加した。
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