the pillows山中×バカリズム 顔が似る二人は、内面も似てるのか?

the pillowsのフロントマン・山中さわおとバカリズム――ある人にとっては「意外な組み合わせ」、またある人にとっては「遂に!」といったツーショットが実現した。片や結成から27年目に突入したベテランロックバンドのボーカルでありながら、「テレビはバラエティーしか見ない」と公言し、プライベートではお笑いのDVDを見まくっているという、お笑い好きミュージシャンの山中。そしてオフビートなコントでコアなお笑いファンのハートをわしづかみながら、最近では『素敵な選TAXI』などドラマ作品の脚本も担当、『バズリズム』をはじめとする音楽番組の出演を通してミュージシャンとの交流も深めているという、バカリズム。

「この二人、何か似てない?」――そんなファンの素朴なひと言から、お互いを意識し合うようになったという二人は、初対面にして一体どんな話を繰り広げるのだろうか。外見だけでなく、人間性や世の中の見方にも近しいところがあるのだろうか。山中たっての希望で実現した今回の対談。その一部始終をとくとご覧あれ。

バカリズムのネタは、「オルタナ」だなって思う。誰もやってないことの連発が、もうすごすぎる(笑)。(山中)

―今日は、the pillows山中さんからの熱烈なラブコールのもと、バカリズムさんにお声掛けさせていただいた次第です。

バカリズム:それはホント恐縮というか……すごく光栄です(笑)。

山中:基本的に俺、「誰かと対談したい」って思うことがあんまりないんだけど、升野さん(バカリズム)だけはどうしてもお会いしたくて。というのは……升野さんはいまいちピンとこないと思うんですけど、the pillowsの界隈では、僕と升野さんの顔がすごく似てるという話になっていて……。

バカリズム:あ、それ、僕も言われたことあります(笑)。

山中:やっぱりありますか(笑)。で、ツーショットでも撮れたら、俺としては相当嬉しいなと(笑)。

左から:山中さわお、バカリズム
左から:山中さわお、バカリズム

バカリズム:ただ、僕のほうとしては、山中さんに似ていると言われても、絵のタッチが全然違うというか、僕は山中さんのようにワイルドでかっこいい感じではないので、申し訳ないところがあって。『コロコロコミック』と青年漫画ぐらいタッチが違うじゃないですか? 「似てる」って言われて、the pillowsのファンの方々は怒ってないですか?

山中:うん、大丈夫。もう、定番って感じだから。結構前に、似てるからって、ファンの方からバカリズムのライブDVDが送られてきたことがあって。

バカリズム:はははは(笑)。

山中:まあ、もともと僕がお笑い好きで、ツアー中はよくホテルでお笑いのDVDを見てるってことを言ってたから、それもあって送ってくれたんだと思うんだけど。で、そのDVDを見て好きになってしまって……『バカリズム案』の最初のやつを自分で買ったんです。

バカリズム:ありがとうございます。2010年に出したやつですね。

山中:それを見たら、もう内容がオルタナティブすぎて、一気にファンになってしまって。音楽ジャンルで「オルタナ」をやりたいってよく言ってきたんですけど、「オルタナ」というのは、いわゆる「ロックンロール」とは対極にあるもので。ロックンロールは、ずっと同じことをやっていても飽きない魅力、ある種様式美みたいなよさがあるんだけど、「オルタナ」というのはそれとは逆で、誰もやってないことをやっていくよさがあるんですね。そういう意味で、バカリズムのネタは、「オルタナ」だなって思った。誰もやってないことの連発が、もうすごすぎる(笑)。それで、「この人は、いったいどういう青春時代を過ごしていたのかな?」って思うようになったんです。

山中さわお

バカリズム:まあ、売れるまでに10年ぐらいどうにもならない時期があったので、それなりに暗かったとは思いますけど……山中さんも、心に僕のような闇を抱えてらっしゃるんですか?

山中:うん、結構(笑)。バカリズムのネタの面白さって、世の中で定番とされているものの逆を突くところだと思うのね。

バカリズム:そうですね。

山中:ということは、例えば青春時代に好きな女の子としゃべっていて、その子が自分がちょっとバカにしているものを「あれ、いいよね」って言ったときに、普通に「うん、そうだね」って言っておけばいいのに、ついつい言い返してしまって、あとで後悔するみたいな。俺はそういうのがけっこうあったんです(笑)。「いや、それはどうかな?」とか「そっちから見たらそうだけど、こっちから見たらそうじゃないよね?」みたいなこと言って、好かれないっていう(笑)。バカリズムのネタを見ていると、升野さんもそういうところがあるのかなって。

バカリズム:確かにそれはあるかもしれないですね。「現実はそんなんじゃないんだよ」という感覚が、昔からずっとあるというか。「それってリアルに考えるとこうだよね?」みたいなことを、何に対しても思ってしまうんです。そういう目線は、割と普段から持っているかもしれないですね。

お笑いは、「テレビに出てナンボ」みたいなところがあって。そこは、(ミュージシャンが)うらやましいなって思います。(バカリズム)

―先ほどバカリズムさんが「売れるまでに10年ぐらいどうにもならない時期があった」とおっしゃっていましたが、下積み時代が長かったというのはお二人の共通点でもあるのではないかと思うのですが、いかがですか?

バカリズム:僕の場合、滑り出しはすごくよかったんですよね。そのときあまり世の中にない感じのコントをやっていて……ライブでは最初からすごいウケてたんです。ただ、それでテレビのネタ番組とかにチラホラ呼ばれることはあっても、結局「テレビ的ではない」という理由で、そこから先に進むことができなくて。

山中:僕も、the pillowsを始めてからすぐにライブハウスで人気が出たんですよね。で、いわゆる鳴り物入りでメジャーデビューしたんだけど、メジャーではずっと底辺のほうにいて。同期がスピッツとMr.Childrenで、彼らはいきなりドーンと売れちゃったから、ひがむ気持ちもやっぱり生まれた。でも、自分たちはこのやり方で絶対何かあるはずって、事務所やレコード会社に、ああしろこうしろって言われながら、それでも何とか流されてないようにやってきたんです。

バカリズム:僕も、自分が面白いと思うことをやり続けていましたね。テレビを見ながら、「俺のネタは、ここでは受け入れられないんだろうな」って思っていたから、ライブをコツコツやりながら、ライブを観に来てくれた人や、DVDを買ってくれた人に面白いと思ってもらえるように頑張ろうって。そういう考え方に、途中からなっていったんです。

―バカリズムさんが、どちらかというと「わかってくれる人に向けてやっていこう」という考え方になっていったというのは、the pillowsとは少し違うのかもしれないですね。the pillowsは、“Stroll and roll”でも歌ってるみたいに<尖った目つきでやたらと噛みついた / この世界を嘆いてた>というか。

山中:俺は世の中のほうが絶対おかしいと思ってたからさ(笑)。

バカリズム:(笑)。でも、ミュージシャンって、テレビとかには出ないけど、ライブの動員があってCDも売れてるという方が結構いるじゃないですか。お笑いは、そういうシステムがないんですよね。「テレビに出てナンボ」みたいなところがあって。そこは、うらやましいなって思います。

山中:なるほど。僕も何人か芸人の友達がいるんですけど、やっぱり芸人はテレビに出ないと難しいみたいですね。単独ライブと言っても、お笑いの場合、最大でも5、600人くらいのキャパでしょ?

バカリズム:それぐらいですね。

山中:だからやっぱり、テレビに出ないとお金にはなりづらいんだろうな。そこはミュージシャンのほうが道はあるのかも。

クリエイティブなことをやる人間って、ひがんでいたり、人間的にちっちゃいところがないと、面白くないと思うんですよね。(山中)

―バカリズムさんは当時、テレビに出て「売れたい!」とは思わなかったんですか?

バカリズム:いや、もちろんテレビはもともと大好きだったから、すごく出たかったんですけど、「これは、出られないだろうな」って思い込んでたんです。コンビ時代の後半とかは、特にそう思っていましたね。で、ピンになって(2005年からピンで活動)コツコツやっていこうと思っていたら、運よくテレビに出させてもらえるようになって……。

バカリズム

山中:そこで別にネタや話す内容をテレビに寄せていったわけじゃないんですもんね。

バカリズム:そう。僕としては同じことをやっているつもりだったんだけど、なぜか受け入れてもらえたっていう。

山中:何かに寄せて失敗したときって、本当にかっこ悪いと俺は思っていて。それまでのファンがガッカリして、新しいファンがつくほどでもなかったっていうのが、一番やばいと思う。

バカリズム:そういうのって、音楽の世界でもあるんですか?

山中:全然ありますよ。プロデューサーや事務所の言うことを聞いて、だんだん変な感じになっちゃうっていう。「大丈夫なの? その人たちは責任取ってくれないよ?」って、俺が言っても聞かないし……で、失敗して事務所もクビになって、結局解散みたいな。

バカリズム:そういうのは、僕の周りでもめちゃめちゃいましたね。テレビに出られないからボケとツッコミを入れ替えたりとか、もともと変わったことをやっていたのに急にベタベタなコントをやり始めたりとか。そう、もともとすごく面白かった後輩が1人いたんですけど、そいつがある日突然、全然違う感じのことをやり始めて。で、僕が「それ、向いてないよ」って言ったら、「申し訳ないですけど、売れてない人の話を聞いてもしょうがないです」って言われて……。

山中:うわー。

バカリズム:「バカリズムさん、面白いけど、売れてないじゃないですか。売れなきゃ意味がないんです。売れた奴が面白いんです」って。で、結局そいつは全然うまくいかなくて、そのあと、僕がテレビに出られるようになってちゃんと食えるようになったときに、そいつを呼び出して、焼き肉をごちそうしながら言ったんです。「前にこういう言い方したの覚えてる?」って。

山中:はははは!

バカリズム:「売れてない人のアドバイスを聞くわけにはいかないって言ったよな」と。で、「俺は今、こうしてお前に焼き肉をおごっているわけなんだけど……」って。

山中:いい話だ(笑)。そういうのは、俺も全部覚えてる。

バカリズム:覚えてるもんですよね。

左から:山中さわお、バカリズム

―そうやってお二人とも、誰かを見返してやろうというエネルギーを原動力にしてきたところがある?

山中:僕の場合、ただのプレイヤーではなく、作詞作曲もするから……升野さんも、自分でネタを作るじゃないですか? そういうクリエイティブなことをやる人間って、大らかだと絶対にダメだと俺は思っていて。すごいひがんでいたり、人間的にちっちゃいところがないと、面白くないと思うんですよね。

バカリズム:そうですね。どこか細かい人じゃないとできないですよね。特にミュージシャンの場合なんて、自分の心のなかにあるものを言語化して、それを自分で歌ってしまうわけだから……それって、ある程度執着心みたいなものがないとできないですよね。

山中:そうそう。あとはナルシストな部分ね(笑)。

『M-1』や『R-1』で、結構な実力者が、本番前にすごい緊張してたりするじゃないですか。あんな光景、バンドで見たことないですから。(山中)

―下積み時代を乗り越えて、今の立場になると、後輩たちを引き上げたいという思いも出てきますか? 山中さんはご自身のレーベルで、後輩バンドの面倒をみられたりしていますよね。

山中:ああ……俺はそういうことに興味があるんですよね。かっこいいことをやってる若いバンドをプロデュースしたりとか。

バカリズム:僕はそういうのはまったくないですね。自分の口利きで後輩をテレビ番組に出したりすることもないし。というのも、その人間が本当に必要とされるのであれば、僕が言わなくてもそこに入れると思うんですよね。能力的にはまだ早いのに、僕の後輩というだけでそこに出すのは、むしろそいつがかわいそうだなって。そういうのって、プレッシャーが半端ないと思うし。だから、よっぽどそいつが必要っていうとき以外、ほとんどそういうことはしないですね。まあ、そもそも、そんなに面白い後輩も……。

山中:はははは!

左から:山中さわお、バカリズム

バカリズム:劇団ひとりとかと、よくそういう話になるんですけど、一番可愛がってる後輩に限って、全然売れなさそうだっていう(笑)。

山中:(笑)。でも、絶対お笑いのほうが実力勝負だから、難しいですよね。ウケたかスベったかの判断が、音楽の場合は結構曖昧だから。

バカリズム:あ、シーンとするような状態がないんですね。

山中:そう。ちょっと「どうなの?」っていうバンドでも、お客さんは拍手してくれるから、「この場所に呼んだらかわいそうなことになる」という状況はあんまりないような気がする。今度出す新しいアルバムには、後輩バンドのベーシストも参加しているんだけど、そこでも別にかわいそうな感じにはならないよね。

バカリズム:なるほど。そこはちゃんと成立しますもんね。

山中:そう、ある程度成立する。でも、お笑いの場合は、先輩に混じって何かするのって、よっぽど実力がないと難しいですよね。

バカリズム:そうなんですよね。うまくいかなかった場合、はっきり「失敗!」ってなるし、自分が呼んだ後輩がそうなったら、僕もそれなりの責任を取らなきゃいけなくなるので。

山中:『M-1』や『R-1』で、結構な実力者が、本番前にすごい緊張してたりするじゃないですか。あんな光景、バンドで見たことないですから。

バカリズム:でも、緊張はするんじゃないですか?

山中:緊張はするけど、ミュージシャンっていうのは、もうちょっとナルシスト集団なんですよね。自分のことをかっこいいと思ってステージに出ている人のほうが多いと思う。さっきも言ったように、音楽の判断って、結構曖昧なものだから。

―というか、ミュージシャンは、ジャッジを下されることにあまり慣れてないかもしれないですね。

山中:そうそう。だから、コンテストみたいなものには出ないよね。そもそも審査員を信用してない(笑)。というか、そういうコンテストに出て、審査員の言うことを聞くような人はダメだと思う。少なくともロックをやってるんだったら、「そんなの関係ねえよ!」くらいのことを思わないと(笑)。

左から:山中さわお、バカリズム

僕の場合、自分が出ることに対して、そんなにこだわりはないんですよ。(バカリズム)

―バカリズムさんは、4月5日にスペシャル版が放送される『素敵な選TAXI』をはじめ、最近はドラマの脚本も書かれていますけど、それはお笑いの表現欲と、ちょっと違っていたりするのですか?

バカリズム:いや、お笑いと同じですね。僕としては、コントを書いているような感覚でドラマの脚本を書いているので。だから、「最近は、脚本家としてもご活躍の……」とか言われても、違和感しかないです(笑)。「脚本家」と言われるほど脚本家としての何かを身につけたわけではないというか、芸人のコントを書く能力だけを使って、長めの話を書いているだけなので。だから、あくまでも目的は笑わせることだし、そんなに違う感じではないんですよね。

―なるほど。

バカリズム:あと、コントではなくドラマの脚本にすると、有名な俳優さんや演技力のある方たちが出演してくれて、お金をかけてセット作ってロケをして、一流のスタッフさんがついてくれるじゃないですか。そんな幸せなことはないですよね。

―コントだと自分で書いた脚本を自分で演じるけど、ドラマの場合、自分以外の人が出演したり演出したりするわけですよね。そうすると、自分がイメージしたものと違ったりして、気になったりとかはないですか?

バカリズム:単純に楽でいいなって思います(笑)。僕の場合、自分が出ることに対して、そんなにこだわりはないんですよ。いろんなコントがあって、そのなかでいろいろな役がある場合、必ずしも自分が演じるのがベストだとは思ってないところがあって。もちろん、自分がやったほうが面白い場合もあるんですけど……僕自身、そんなに演じることが好きなわけでもないんですよね。それに、一人で脚本を書いて、台詞を覚えて、演じるっていう作業は、本当に大変なんですよ。それに比べれば、会議もあるし、監督さんもいるし、いろんな人の脳みそがあるから、僕としては助かるというか、非常にありがたいです(笑)。

山中:それって、ミュージシャンでいうと、楽曲提供みたいなものになるんですかね?

バカリズム:あ、そうかもしれないですね。

左から:山中さわお、バカリズム

山中:僕も、たまに楽曲提供とかをするんですけど、確かに楽と言えば楽ですよね。作詞作曲して、いつもはthe pillowsでアレンジを詰めて演奏するところを、楽曲提供の場合は、他にプロデューサーがいて、その人がアレンジとかを決めて、レコーディングもしてくれるから。で、僕は「お金ください」っていう(笑)。

ちょうど升野さんくらいの歳から、いろいろうまくいかない時期で、人生モヤモヤしていたんですよね。(山中)

―今の話と通じるような気もしますが、お二人とも、ようやく他人に何かを任せられる時期に入っているんじゃないですか?

バカリズム:そうなのかな?

山中:俺は最近、ものすごい心穏やかですね。まあ、それは年齢的なこともあるんだろうけど(現在山中は47歳、バカリズムは40歳)。

バカリズム:何歳くらいから、心穏やかになったんですか?

山中:ここ2、3年くらいかな?

バカリズム:えっ、結構最近じゃないですか(笑)。

山中:もちろん波はあるんだけど、ちょうど升野さんくらいの歳から、いろいろうまくいかない時期で、人生モヤモヤしていたんですよね。その頃にthe pillowsが20周年で武道館ライブをやって、「よしっ!」って思ったあと、「ここからどうすんだ、俺?」っていう、何か終わってしまったような感覚があって……。

山中さわお

バカリズム:ああ……。

山中:その頃俺は、過去よりも絶対にいいアルバムを作らなければいけない、最新アルバムが常に最高のアルバムでなければならないって強く思ってたんだけど、それがもうできないんじゃないかっていう強迫観念にかられたんです。あと、わかってはいたけど、肉体的にも「おっさんだな」って実感してしまったし、これからどんどんお爺さんになっていくんだっていうのが、肌でわかってくるようになって。で、いろんなことがモヤッとしていたんだけど、今はもうそこを通り抜けたというか、今が一番心穏やかな気がしているんですよね。

―4月6日にthe pillowsのニューアルバム『STROLL AND ROLL』がリリースされますが、そのアルバムでは複数のベーシストを起用するなど、これまでにない試みをしていて……心穏やかというか、ちょっと他人を信じるようになったのかなって思いましたけど。

山中:いや、別に今まで疑ってたわけじゃないよ(笑)。ただ、自分の頭のなかで鳴っているものを端から端まで完璧に再現するっていうのは、自分なりにちょっと気が済んだのかな。今は他の人のアイデアが入ってきても、それを楽しめるようになったというか。まあ、この先どうなるかは、わからないけどね。

「何も考えてない」で話始めるときは、「何も考えてないけど面白かった」で着地させないと絶対ダメですよね。(バカリズム)

山中:あ、普通にファンみたいなこと聞いていいですか? 升野さんって、コントのなかで落ち武者の格好をしたりセーラー服を着たりしても、絶対かつらをかぶらないじゃないですか。あれって何か理由があるんですか?

バカリズム:あれは僕のなかで、すごいこだわりがあって。単独ライブのコントでかつらをかぶっちゃうと、髪の毛を直したりとか、ちょっと余計な時間が掛かるじゃないですか。そういう裏の作業を1秒でも減らしたいっていうのがあるんですよね。だから、テレビのコントやロケの場合はかぶるんです。でもライブは、「必要最低限でやるのが自分のライブだ」って決めてるんですよね。

―山中さんは、そういうこだわりって何かありますか?

山中:俺の場合はMCとかかな。若いバンドとかで、誰かのフォーマットをそのままやってるパターンってよくあるじゃないですか。「今日はこんなにたくさん集まってくれてありがとう。最後までよろしく!」とか「のってるかーい!」とか。あれにすごく違和感があって。もちろん、ちゃんと心がこもっているなら「集まってくれてありがとう」でいいと思うけど、それほど思ってもないのにテンプレートとして言っているから、気持ち悪いんだよね。何にせよ自分の言葉で言おうっていうのは、若い頃からあったかな。後輩のバンドとかで、「MC何も考えてなかったです」とかステージ上で言ってるのを観ると、「そのくだりいらないよ!」って思う。

バカリズム:はははは。

左から:山中さわお、バカリズム

山中:ホントいらない。絶対MCやること決まっているのに、しゃべりだす寸前に独り言のように、「ああ、今日、何も言うこと考えてないな」って言って、そのあと本当に何も考えてないクオリティーのMCをやったら、「バカじゃないの? 考えろよ!」って思う(笑)。ステージ上でサボっていいことなんか一個もないのに、MCを考えないとか、何をやってんだって思うんだよね。

バカリズム:(笑)。「何も考えてない」で話始めるときは、「何も考えてないけど面白かった」で着地させないと絶対ダメですよね。

山中:そうそう。それができる人なら言っていいと思う。

バカリズム:それって、タクシーの運転手が、最初から「新人なもので」って言い訳するようなものですよね。

山中:そう! それですべてが許されると思うなよって(笑)。

―やっぱり、お二人は、外見だけではなく、考え方のツボもどこか似ているような気がしてきました(笑)。

山中:だから俺は、バカリズムのコントが、こんなに好きなのかな。

バカリズム:いやホント、今日はお話できて嬉しかったです。

山中:いやいや、こちらこそ、ありがとうございました。あ、あと俺の携帯にもツーショットのほうを……。

バカリズム:もちろんです(笑)。

左から:山中さわお、バカリズム

リリース情報
the pillows
『STROLL AND ROLL』初回生産限定盤(CD+DVD)

2016年4月6日(水)発売
価格:3,780円(税込)
QECD-90001

[CD]
1. デブリ
2. カッコーの巣の下で
3. I RIOT
4. ロックンロールと太陽
5. Subtropical Fantasy
6. エリオットの悲劇
7. ブラゴダルノスト
8. レディオテレグラフィー
9. Stroll and roll
10. Locomotion, more! more!
[DVD]
1. カッコーの巣の下で
2. デブリ
3. Locomotion, more! more!
※初回限定特典としてオリジナルステッカー、『STROLL AND ROLL TOUR』チケット応募抽選先行予約パスワード封入

the pillows
『STROLL AND ROLL』通常盤(CD)

2016年4月6日(水)発売
価格:3,240円(税込)
QECD-10001

1. デブリ
2. カッコーの巣の下で
3. I RIOT
4. ロックンロールと太陽
5. Subtropical Fantasy
6. エリオットの悲劇
7. ブラゴダルノスト
8. レディオテレグラフィー
9. Stroll and roll
10. Locomotion, more! more!
※初回限定特典としてオリジナルステッカー、『STROLL AND ROLL TOUR』チケット応募抽選先行予約パスワード封入

イベント情報
the pillows
『STROLL AND ROLL TOUR』

2016年5月6日(金)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE

2016年5月8日(日)
会場:長野県 CLUB JUNK BOX

2016年5月13日(金)
会場:栃木県 宇都宮 HEAVEN'S ROCK VJ-2

2016年5月15日(日)
会場:東京都 赤坂 BLITZ

2016年5月19日(木)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2016年5月21日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2016年5月23日(月)
会場:徳島県 club GRINDHOUSE

2016年5月25日(水)
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT

2016年5月27日(金)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2016年5月29日(日)
会場:新潟県 LOTS

2016年6月4日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST

2016年6月11日(土)
会場:宮城県 仙台 Rensa

2016年6月13日(月)
会場:岩手県 盛岡 CLUB CHANGE WAVE

2016年6月15日(水)
会場:青森県 Quarter

2016年6月17日(金)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE 24

2016年6月18日(土)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE 24

2016年6月25日(土)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

2016年6月28日(火)
会場:静岡県 浜松 窓枠

2016年6月30日(木)
会場:島根県 松江 canova

2016年7月2日(土)
会場:大阪府 なんばHatch

2016年7月4日(月)
会場:愛媛県 松山 SALONKITTY

2016年7月6日(水)
会場:鹿児島県 SR HALL

2016年7月8日(金)
会場:沖縄県 那覇 桜坂セントラル

2016年7月10日(日)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2016年7月16日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2016年7月18日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋DIAMOND HALL

2016年7月22日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp Tokyo

番組情報
『素敵な選TAXI スペシャル ~湯けむり連続選択肢~』

2016年4月5日(火)21:00から関西テレビ・フジテレビ系で放送
脚本:バカリズム
演出:筧昌也
出演:
竹野内豊
玉山鉄二
瀧本美織
清水富美加
山崎樹範
丸山智己
宇梶剛士
松重豊
バカリズム
南沢奈央
清野菜名
升毅

ストーリー:
過去に戻れる不思議な乗り物・選TAXIの運転手の枝分(竹野内豊)は、好きなアニメの聖地を見に行こうと、ひとり温泉地にやってきた。しかし、途中で様々なトラブルを抱えた乗客たちと出会う。選手生命崖っぷちのプロ野球投手や、婚前旅行で婚約解消を言い渡されてしまった男、修学旅行で生徒が失踪してしまった担任教師、ひとり旅の謎の男など…。枝分の運転する選TAXIに乗って、過去に戻ってやり直そうとする乗客たち。果たしてトラブルをうまく解決できるのか?そして、やがてバラバラだったはずの乗客たちの物語は、一つの大事件へとつながっていき…!?

プロフィール
the pillows
the pillows (ざ ぴろうず)

山中さわお(Vo,Gt)、真鍋吉明(Gt)、佐藤シンイチロウ(Dr)による3ピースバンド。1989年9月結成。1991年、シングル『雨にうたえば』(ポニーキャニオン)でデビュー。1992年、上田ケンジ(Ba)が脱退。1994年、キングレコードに移籍。2005年、海外での活動を本格的に始動。2006年、avex entertainment / tearbridge productionに移籍。2009年、結成20周年記念日の9月16日に、初の武道館ライブを行う。2012年、ツアー終了後、バンドのメンテナンス&リハビリのため活動休止。2013年8月より活動再開。2016年4月6日に、20枚目のオリジナルアルバム『STROLL AND ROLL』をリリース。

バカリズム

本名は、升野英知。1995年『バカリズム』を結成。2005年12月よりピン芸人として活動。現在、TVレギュラー番組を中心に活動するかたわら、定期的に単独ライブを行っており、発売と同時に即完売となる人気を誇る。他にもナレーションや役者、脚本、イラスト、書籍など多方面で活動中。



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