クラムボンが、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREを使って、「クラムボン×岩井俊二『日比谷野外音楽堂ライブ』映像化大作戦」を5月31日まで実施している。これは8年ぶりの日比谷野音公演を映像化すべくスタートし、しかもその監督を岩井俊二が務めるという、実に豪華なプロジェクト。長年DIYな活動を続けてきたクラムボンがクラウドファンディングに参画するということには、とても大きな意義があると言っていいだろう。
さらに6月1日からは、流通を通さず、ライブ会場でCDを直売する『モメントツアー』を昨年に引き続き開催。4年ぶりの小淵沢での合宿から制作がスタートした新作『モメント e.p. 2』を携えて、昨年回り切れなかった場所を中心に、サイン会も行いながらの全29公演が予定されている。そんな多忙の合間を縫って、最近では珍しいメンバー三人の全員インタビューが実現。「三者三様」のクラムボンの現在地が浮かび上がる取材となった。
私たちのやってることはエンタメなので、ぶっちゃけお金がかかるわけです。(ミト)
―まずは改めて、先日行われた日比谷野外音楽堂(以下、野音)での公演を映像作品にするため、クラウドファンディングプロジェクトをスタートさせた経緯を話していただけますか?
ミト:今年のアタマに野音をやることが決まって、うちのサイトでチケット先行販売の抽選をやったんですけど、応募が想像の倍くらいきたんです。一般発売のタイミングでも、瞬殺で売り切れちゃって。
ファンの方々は、私たちの野音に対する思い入れを知ってくれていて、しかも8年ぶりだったこともあって状況が過熱して、チケット争奪戦になった。それは嬉しい反面、多くの人がライブを観たいのに観れないわけで、それをどうにかしたいと思ったのが始まりです。
―それで映像作品を作ろうと思ったと。クラウドファンディングを使ってみようと思ったきっかけは?
ミト:今回キュレーターとして参加してくれているbambooさん(バンド「milktub」のメンバーでありながら、レーベル「OVERDRIVE」の代表を務める)が、OVERDRIVEの10周年イベントとして、ディファ有明で無料ライブをするというプロジェクトを昨年末からCAMPFIREでやってたんです。OVERDRIVE自体はかなりコアな、いわゆるJ-POPとかJ-ROCKを聴いてる人たちに広く浸透してるタイプのジャンルではないんですけど、1000万という目標金額を瞬殺でクリアしてしまったのを目の当たりにして、これはすごいなって。
―ダイレクトな数字のインパクトを思い知ったと。
ミト:そうそう。私たちのやってることはエンタメなので、ぶっちゃけお金がかかるわけです。その数字が実際に見えるというのは、私たちを愛してくれる人たちにとっても、いい意味で安心できるファクターなんだなって思いました。
しかも、私たちはメジャーからリリースしてましたけど、実際はほぼDIYな活動を長いことしてきて、ファンのニーズに応えるスタンスを貫き通した結果、今の私たちのブランドがあると思っているので、クラウドファンディングとの親和性はすごく高いだろうなと。そうであれば、日本ではまだ黎明期のクラウドファンディングを使うことで、この仕組みを後押しすることにもなればと思ったんです。
―岩井俊二さんが監督を務めることになったのは、どういう経緯だったのでしょうか?
原田:もともとは私のソロを聴いてくださっているということを、スタッフの方を通じて伺って。ある番組に出たとき、ニアミスで直接お会いできなかったのでコメントを残したら、後日、Twitterのダイレクトメールでお返事をくださいました。
―手書きのコメントを残したんですか?
原田:いえ、ビデオレターです(笑)。「初めまして」って。そのあと、岩井監督の一番新しい映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』が公開されると、「主人公のアカウント名がクラムボンだったよ」といろんな方から伺って。のちに、岩井さんから「名前、お借りしました」とメールをいただいたんですけど、私たちも宮沢賢治の『やまなし』からお借りしているので、「いえいえ、こちらもです」というやりとりをさせてもらいました(笑)。
原田:クラウドファンディングのページに寄せてくださった岩井さんの文章にもあるように、「“Folklore”を一日中聴いてます」というメールをいただいて、あまりにも嬉しかったので、逆に「ありがとうございまーす!」って軽く返すこともできず。どんなふうにお返事したらいいだろうって思っていたところに、ちょうど野音の映像化の話が持ち上がって。
『日比谷野外音楽堂ライブ』セットリスト。アンコールの最後に、岩井俊二の好きな“Folklore”が演奏された
―その縁があって、岩井さんにお願いすることにしたと。
原田:「これまで一回もタッグを組んだことがなくて、サプライズになるような人って誰だろう」っていう話をしているときに、「いや、まぁ、ないと思うけど……」っていうニュアンスで「岩井さん、とか」と名前を出したんです。いただいたメールの話もして。そしたら、「え、面白いんじゃない?!」って。
とはいえ、一度もお会いしたことなかったし、いきなり頼むのは図々しい話だから、何日もかけて……長文のメールを書きました。私たちにとっても、ファンの人たちにとっても、野音がどれだけ特別か、っていうことも。その上で、「クラムボンの野音を撮っていただけないでしょうか?」と。そしたら、「ぜひ」というお返事をいただけたんです。
クラムボンって、常に三人の思考、見てるものが違うんですよね。でも「やる」と決めたらとことんやる。(原田)
―伊藤さんと原田さんはクラウドファンディングに対してどんな印象をお持ちでしたか?
伊藤:5~6年前に、Electric Eel Shockがクラウドファンディングを使って集めた資金でアルバムを作って、ヨーロッパやアメリカをツアーしていたんですけど、実際にそれをどうやっているのかについて話す講演会を聞きに行ったことがあったんです。そのときに、「こういう形が当たり前になっていくのかな」って思ったんですよね。
なので、今回の企画を聞いたときも、すごくいいなって思いました。ここ最近は、同年代のファンの方が家庭を持ったり、仕事が忙しかったりで、なかなかライブに来られない人も多くなってきたと思うんですけど、そういう人たちにも気軽に参加してもらえるようなものになったらいいなって思いましたね。
―原田さんはいかがですか?
ミト:原田さんは最初すごい拒否してましたよね(笑)。
原田:(笑)。えっとですね、少し補足すると、ミトさんはいつもあんまり説明がないんですよね。「なぜやるのか」というのは、追々わかってくる。クラウドファンディングに関しても、「今日の打ち合わせ、これについて話すから目を通してて」ってメールだけ来て。
思い立ったのが、前日とか前々日とかだったみたいなんですけど、すでにbambooさんのスケジュールの話とかをしていたので……「いやいや、ちょっと待って」と(笑)。クラウンドファンディングに一回も参加したことがなくて、本当に去年『この世界の片隅に』で初めて知ったので、そういう人間からすると、「待って待って。なんでそれをしたいのか、まず話そうよ」っていう感じだったんです。
―具体的には、どんなことが気になっていたんですか?
原田:うーん、一番気になったのは、去年、初めて自分たちのアルバム『モメント e.p.』を自主制作して、流通を通さないでツアーの各会場で直売しながら、「なぜここに至ったか」の経緯をMCで丁寧に説明して、少しずつファンの方にも理解してもらっているところで。また今年も6月から『モメントツアー』をやろうとしていて、そこにまた新たな手法を導入するの? っていうことかな。
ミトさんの思考はかなり先まで行ってたと思うんですけど、「え? お前、まだそこにいたの?」みたいな感じで、一旦こっちまで戻ってきてもらって(笑)。「クラウドファンディングって、もっとカジュアルに参加できるツールなんだよ」っていう話も聞いて、「あー、なるほど」と、だんだんクラムボンが今やることの意味がわかってきた。
ミト:この三人のなかだけでも、日本でのクラウドファンディングの認知のバラつきがわかりますね(笑)。
原田:(笑)。クラムボンって、常に三人の思考、見てるものが違うんですよね。でも「やる」と決めたらとことんやる。
実際に、「クラウドファンディング、やってみよう」と決めて、bambooさんにもお会いして話を聞いてみると、今のクラムボンの活動、考え方にすごく通じるものがあるっていうことがわかりました。「お、面白そう。乗った!」って賛同してくれる人と直接的に関わりが持てるというのは、まさに私たちがやりたいことで。それに、その日だけで終わるはずのライブが、何層にもなっていくというか、ライブが始まるまでもそうだし、終わってからも「どうなるんだろう?」という楽しみ方ができるというのは、今までになかったことだなって。
クラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦(サイトを見る)
「今の若い子はエンタメを全部タダだと思ってる」って話がありますけど、逆だと思う。(ミト)
―『この世界の片隅に』だったり、音楽業界で言うと、ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり)のオウンドメディア「Noah's Ark」の設立だったり、徐々に日本でもクラウドファンディングが浸透してきて、カジュアル化しつつありますよね。
ミト:ぼくりりくんがやったことにはかなり背中を押されましたね(インタビュー記事:ぼくのりりっくのぼうよみインタビュー 情報社会をどう生きる?)。アーティストが資本的なことを自分の口から話すのって、したがらないのか、苦手なのか、させないのか、現状このどれかがフィルターとして付きまとってると思うんです。でも、そこに対して若手で勢いのある子が一歩前に進んでくれたことによって、私たちみたいな更年期バンドも(笑)、気兼ねなく一歩を踏み出せたというか。
―そうやってお金の話題をカジュアルにしていくことが、エンタメを推し進める上でも重要かと思います。
ミト:「今の若い子はエンタメを全部タダだと思ってる」って話がありますけど、私はそれは逆だと思ってて、「よくこんなのがタダで見れるよな」って、絶対に思ってると思うんですよ。好きなアーティストには頑張ってほしいし、つながりたい。そのためには音源を買ったりすることが一番簡単な意思表示だということは、きっとわかってる。
ただ、今の若い子はネットによって仮想敵が見えすぎちゃってると思うんですよね。CDを買ったところでそのお金がアーティスト以外にもいくことや、Spotifyにお金を払っても、何億回再生されないと一般企業の社員並みの給料にもならないことを知っちゃってる。だから、「じゃあ、どうしたらいいの?」ってなっているわけです。
―なるほど。
ミト:でも、そのわだかまりを解消し得るのがクラウドファンディングですよね。もちろん、クラウドファンディングも運営費をCAMPFIREにお支払いするんですけど、とはいえほぼほぼ直接アーティストに還元される。そこでアーティストとファンがお互い報われ始めているんじゃないかなって。
もっと言えば、友達がアクセサリーを作るとか、ご飯屋さんを作るとか、そういうプロジェクトにお金を払うのって、きわどい言い方ですが、下手に税金を払うよりも社会に対して直接的ですよね。つまり、個人が政治に真正面から向き合わなくても、社会貢献としての実感が得られる。クラウドファンディングの熱量ってそういうことなんじゃないかって、それは自分が実際にやってみて思ったことです。
―昨年の直売ツアーで実感した、ファンの方との濃密な関係性の作り方の延長線に、今回のプロジェクトがあるとも言えそうですね。
ミト:去年のやり方を始めて、私たちはメジャーで5万枚とか10万枚売ってる人たちとあんまり変わらないくらいの資本で動けてるんです。それは全部自分たちで出版を持ったり、流通も管理してるからこそ。
今回岩井監督とご一緒するってなったときで、「私たちが出資しますから、ファンに募らなくても」って言ってくれる企業の方もいたんです。でも僕らにとって重要なのはそういうことではないんですよね。
原田:今回、クラムボンも、岩井さんも、初めてのクラウドファンディングだったんですけど、毎日CAMPFIREのページを見るたびに、「おぉー! すごいー!」ってなってました。反響の大きさももちろんですが、賛同してくれるみなさんの熱意がすごかった。もちろん参加するには自分でコースを決めて「お金」が発生するんですけど、ちゃんとそこに気持ちが乗っかって、返してくれている。そのことがものすごく励みになりました。
専門学校にいたときの気分に押し戻されて、ちょっとノスタルジーを感じていたりもしている。(ミト)
―クラウドファンディングをやったことで、ライブの手応えにも変化がありましたか?
原田:そうですね。もちろん会場に来てくれた目の前の人たちと、その瞬間のライブを作るっていう気持ちは変わらないんですけど、たとえば「野音フルコース」に応募してくれた人たちがお弁当食べながらリハーサルを見ていたり、岩井さんが急遽ツイキャスで実況中継をしてくれたり、会場に来れなくても、映像を楽しみにしてくれてる人たちがたくさんいる、っていうことも肌で感じながら。なので、当日は、野音という空間がレイヤー状に広がってたような感覚があった。
『日比谷野外音楽堂ライブ』(撮影:Yoshiharu Ota)
伊藤:クラウドファンディングのプロジェクトをスタートした日から「野音」が始まってる気分で、そして今はライブは終わったけど、まだ終わってないっていう感じ(笑)。もちろん、5月3日当日は特別な日でしたけど、プロジェクト全体で見ればその日も過程のひとつで、5月31日(資金募集終了日)まで「野音」は終わらないな、と。緊張感と、楽しみがまだまだ続いている感じです。
ミト:ストレッチゴールも2つ3つと超えちゃって、ハイレゾ音源とかブックレットとかいろいろ作らなきゃいけないから、ライブが終わったあとのほうが大変というか、野音が終わるのはまだまだ先だなって(笑)。
気分的には、専門学校にいたときのクラスコンサートに近いんですよね。自分たちでパンフレット作って、集客もしてっていう、あの頃の気分に押し戻されて、ちょっとノスタルジーを感じていたりもして。なので、これからまだ「課題」が残ってるって感じですね(笑)。
「見守る」ということも大事なことなのではないかと思うんですよ。(伊藤)
―ミトさんが別件で先に出られましたが、新作の『モメント e.p. 2』について、お二人にお伺いしたいと思います。制作にあたって、4年ぶりに小淵沢で合宿をしたそうですね。
原田:今の状況からもわかるように、とにかくミトさんが忙しくて、大ちゃん(伊藤)も学校の先生の仕事があるから、曜日でスケジュールが決まっていて、小淵沢で何泊もすることが物理的にできなくなった。
なので、『triology』(2015年3月発売、9thアルバム)は全部東京で作業したんですけど、それだとどうしてもコミュニケーションの取りづらさがあったんですよね。今回ひさしぶりに小淵沢に集まって、やっぱりクラムボンにはここが必要なんだなって感じました。
―ひとつのところに集まって、コミュニケーションをとることが重要だと。
原田:ただ同じ空間にいる。で、楽器触って、曲を作って、食事をして、呑んで、ってするなかで、メンバーが今どういうモードなのか、ミト氏がどんなことをやりたいのか、汲み取れるものもあって。その時間は、やっぱり無駄じゃないし、切り捨てられないなと。とにかく作業に集中できる環境っていうのもいいんですよね。
―『triology』のときは歌詞に時間がかかったという話をされてましたが(クラムボン・原田郁子&伊藤大助、歌詞に迷った20年目を語る)、制作自体はスムーズに進みましたか?
原田:今回も歌詞はすごく時間がかかったんですけど、ミトさんにギリギリまで付き合ってもらって。曲というより映像を作っているのか? というくらい、重量のあるものになったんじゃないかなと思います。前作もですけど、前作以上に、続けるっていう過酷さと、面白さが、今回はより滲み出ているのかもしれないです。
―野音でアンコールに披露されていた“タイムライン”はクラムボンの新たな名曲だと思いました。一人ひとりの営みを描くというモチーフ自体はこれまでにもあったと思うのですが、昨年のツアーでお客さん一人ひとりとつながったせいか、さらに深みが増したというか。
原田:最初にミトさんからデモをもらったときから、「なんていい曲なんだ」って思いました。夢のなかでメロディーが聴こえて、起きてすぐにボイスメモに入れたそうです。なので「作るぞ」って感じではなくて、深い無意識下からでてきた曲なんだろうと。どこかの古い民謡みたいだなって。
そこにどんな歌詞を乗せようかなってずっと考えてたんですけど……ここ何年思っていたこと、見てきたものが、ようやく歌にできたかもしれない。「なんでもないことが、尊い」。そう思っても、それをそのまま言ったら歌にならない。だから、歌のなかでは、ただただ目の前の光景を見ているっていう。そこに自分は入っていかないで、ただ見ている。そういう歌が聴きたいなって。
―その発想はどこから生まれたのでしょうか?
原田:ちょうど歌詞を書いてるときに、劇団「マームとジプシー」の藤田(貴大)くんと、大友良英さんが福島の中学生、高校生の人たちと一緒に舞台を作っていて、観に行ったら、その子たちがものすごく眩しかった。その時期特有の、なんとも言えないモヤモヤも見て取れたんだけど、それはきっと今だけのもので。朝起きて、ご飯食べて、学校行って、寝てっていう、その日常が、とにかく続いてほしいってすごく思ったんですよね。
その舞台のタイトルが『タイムライン』だったんです。歌の内容と舞台は違うんですけど、同じじゃない毎日が、パラレルに続いてる。そういう歌になれたらいいなと、タイトルを使わせてもらいました。
―伊藤さんは先生をやられているわけで、生徒と触れ合うなかでなにか思うことはありますか?
伊藤:若者に接する機会の多いおじさんとしては、「今を大切にしてね」とか「今は二度と戻ってこないんだよ」って思ってしまいつつも、彼らから学ぶことはたくさんあるんです。
音楽の学校なんですけど、みんな音楽に対する向き合い方はそれぞれで、僕自身、学生から刺激を受けることも多いので、黙って見守ってるくらいがいいときもあるんじゃないかと思うようになってきたんですよね。「おじさんも昔はね……」って、自分を持ちこんじゃいけないなと(笑)。
―言われても、「知らねえよ」ってなっちゃいますよね(笑)。
伊藤:実際、昔話にはまったく反応ないんです(笑)。当たり前ですよね。自分が昔できなかったこととか、足りない部分を若者に託したい気持ちがあるからか、自分の話をしたくなるときはあります。でも、「見守る」ということも大事なことなのではないかと思うんですよ。
ミトさんがパイオニア的にガンガン道を切り開くことで、取りこぼしてるものもあるはずで、私はそこを拾う役目なのかなと。(原田)
―クラウドファンディングの話にしろ、『モメント e.p. 2』の話にしろ、改めて、クラムボンというバンドはメンバー三人の独特のバランスでできあがってるんだなと感じました。
原田:そうですね。ミトさんは、コンポーザーであり、プレイヤーであり、プロデューサーであり。役者でありながら監督も、演出も、編集もするし、それをどうパッケージして、どう世の中に届けるか。本当にいろんな方向から物事を見ていて、何年も先のことまで考えているかもしれないような人なんですよね。
私たちが電車に乗ってるとしたら、ミトさんは先頭車両にいて、ものすごいスピードで生きている。で、一方私は、そのスピードとは違うスピードで生きていて、一番最後尾の、景色が消えていく感じ、わかりますかね? あれをずっと見ているような(笑)。で、クラムボンをやっていく上では、どっちかにまとめるんじゃなくて、どっちもいるっていう。その「いびつさ」が面白いんじゃないかなって思えるようになった。
ミトさんは常にパイオニア的に、先頭でガンガン道を切り開いてるんだけど、でもそうすることで消えていってしまうものや、取りこぼしてるものもあるはずで、私はそっちがどうしても気になるから、そこを拾ったり見たりしている役目なのかなと。
―そんな二人に対して、伊藤さんの役割は?
原田:うーん、大ちゃんは、全然違うところを見てる二人をさらに俯瞰で見て、全体として捉えてくれてる、のかな? どうだろう?(笑)
伊藤:(笑)。
原田:そういう人もいてくれないと、伝えられる語彙も狭くなっちゃう。いろんな人がいていいと思うんですよね。お互いのことを干渉しないし、尊重したいしっていう。“レーゾンデートル”に<三者三様 遮二無二>という歌詞があるんですけど、きっとクラムボンは、そういう状態を具現化しているチームなんだろうなって思います。
- プロジェクト情報
-
- CAMPFIRE
クラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦 -
クラウドファンディングプロジェクトの支援募集は、2017年5月31日23:59まで。
- CAMPFIRE
- リリース情報
-
- クラムボン
『モメント e.p. 2』(CD) -
2017年6月1日(木)発売
価格:2,500円(税込)
TRP-10009 / tropical1. 蒼海
2. レーゾンデートル
3. flee
4. nein nein
5. タイムライン
※箔押し特殊パッケージ仕様
- クラムボン
- ライブ情報
-
- 『clammbon モメントツアー2017』
-
2017年6月1日(木)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE242017年6月3日(土)
会場:北海道 北見ONION HOLL2017年6月10日(土)
会場:神奈川県 横浜 F.A.D YOKOHAMA2017年6月11日(日)
会場:山梨県 甲府 CONVICTION2017年6月14日(水)
会場:三重県 松阪 M'AXA2017年6月15日(木)
会場:岐阜県 Club Roots2017年6月17日(土)
会場:富山県 MAIRO2017年6月24日(土)
会場:宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE2017年6月25日(日)
会場:青森県 弘前 MAG-NET2017年6月27日(火)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
※サイン会なし2017年6月28日(水)
会場:千葉県 柏 PALOOZA2017年7月1日(土)
会場:山形県 ミュージック昭和Session2017年7月2日(日)
会場:栃木県 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-22017年7月7日(金) 会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1
2017年7月12日(水)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ2017年7月14日(金)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE
※サイン会なし2017年7月16日(日)
会場:滋賀県 U★STONE2017年7月17日(月・祝)
会場:和歌山県 SHELTER2017年7月19日(水)
会場:広島県 CAVE-BE2017年7月20日(木)
会場:島根県 出雲 APOLLO2017年7月22日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION2017年8月2日(水)
会場:福井県 CHOP2017年8月3日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
※サイン会なし2017年8月5日(土)
会場:徳島県 徳島 club GRINDHOUSE2017年8月6日(日)
会場:愛媛県 松山サロンキティ2017年8月22日(火)
会場:兵庫県 神戸 チキンジョージ2017年8月24日(木)
会場:山口県 周南 RISING HALL2017年8月26日(土)
会場:佐賀県 RAG-G2017年8月27日(日)
会場:鹿児島県 CAPARVO HALL料金:各公演2,500円
- プロフィール
-
- クラムボン
-
福岡出身の原田郁子(vocal,keyboard)、東京出身のミト(bass,guitar,composer)、北海道出身の伊藤大助(drums)が音楽の専門学校で出会い、1995年にバンド「クラムボン」を結成。シングル『はなれ ばなれ』で1999年にメジャーデビュー。当初よりバンド活動と並行して、各メンバーのソロ活動、別ユニット、別バンド、楽曲提供、プロデュース、客演、執筆活動など、ボーダレスに活動を続けている。2003年より自身らの事務所『tropical』を設立、また山梨県小淵沢にスタジオの制作、2010年にはサウンドシステムを保有しライブハウス以外の会場で全国ツアーを行うなど、バンドとして独自のスタンスを築き上げている。2015年には結成20周年を迎え、9枚目のオリジナルアルバム『triology』を発表し、在籍していたメジャーレーベルを離れた。また、レコ発ツアーのファイナルではキャリア初となる日本武道館公演をおさめる。2016年自身のレーベル「トロピカル」から『モメントe.p.』を発表。ライブ会場限定でCDを販売しサイン会を行うツアーを全国30公演開催。そこで流通を介さず活動に賛同してくれる店舗への直接委託で流通を試み、ジャンル問わずの180店舗以上にまで広がりを見せる。現在もオフィシャルサイトで販売店を募集中。今年も新譜をもってモメントツアー開催。
- フィードバック 3
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-