もし10年後、2020年という年を振り返ったときに多くの人々が最初に思い出すアルバムは、テイラー・スウィフトの最新作『folklore』かもしれない。パンデミック以降、最初期の外出自粛期間を使ってレコーディングされた『folklore』は、7月後半にリリースされるやいなや、世界中のプレスが「テイラー・スウィフトの最高傑作」という太鼓判を押し、2020年のアメリカで最初のミリオンレコードになった。
ヴァイナルレコード2枚組全16曲60分を超える尺。ソングライティングやプロダクションにThe Nationalのアーロン・デスナーやBon Iverといったインディロック人脈を起用した21世紀のフォーク音楽とも言える静謐なサウンドは、まるで彼女のベッドルームからオーディエンスの一人ひとりのベッドルームへと届けることを意図したかのようだ。
比較的ポップマナーに則ったアルバム前半から中盤~後半へと進むに従って、サウンドもリリックの内容もまるで少しずつ深い森の奥に分け入っていくかのように親密さを増していく。自分自身のパーソナルなストーリーを「時代の物語」へと昇華させるというリリックスタイルによって、2010年代ポップ音楽のトレンドをいち早く決定づけた彼女は、ここではいくつものキャラクターを使って、全16曲60分という時間をかけ、じっくりとひとつの物語を紡ぎ出そうとしている。
では、かつて2012年のグローバルヒット“We Are Never Ever Getting Back Together”における<私のレコードなんかよりずっとクールなインディロックをこっそり聴いて、イライラした気持ちを慰めているんでしょ(And you would hide away and find your peace of mind / With some indie record that's much cooler than mine)>というパンチラインによって、図らずも時代の潮流がインディロックからポップへと移行しつつあることを宣言してしまったテイラー・スウィフトがそれから8年後に作り上げた今回のレコードを、同時代のUSインディロックを愛し続けたオーディエンスたちはどんなふうに聴いたのだろうか。
その一端を垣間見るために、やはり21世紀のUSインディロックに何かしらの愛着を持つだろう日本の音楽家たち三人を中心にした座談会を企画した。
ご登壇いただいた作家は以下の三人。本陣ASIAN KUNG-FU GENERATIONと並行してGotch名義の活動も活発化、10月第4週にはChance the Rapperやシカゴの「Save Money」クルー以降のゴスペル解釈を受け継いだ新曲“The Age”をリリースしたばかりの後藤正文。欧米のフォーク音楽とそれを再定義したUSインディの作家たちと歩調を合わせるように独自のインディフォークサウンドを進化させ続け、10月半ばにその集大成とも言える最高傑作『極彩色の祝祭』を上梓したばかりのROTH BART BARONの三船雅也。21世紀のUSインディ音楽に触発されることをひとつの契機に、森は生きている~ソロ活動を通じて20世紀音楽全般に対する興味を多角的に具現化、この2020年には大衆消費されるポップ音楽とたった一人の聴き手にしっかりと届けられることを意図したレフトフィールド音楽との間に存在するマージナルな場所を再定義し直すかのような二枚のアルバム――『Morning Sun』と『都市計画』(Okada Takuro+duenn名義にて)をリリースした岡田拓郎。
おそらくはこの10年の間、テイラー・スウィフトの作品や活動とは別の歴史を生きてきただろう三人に、今回の座談会を企画したザ・サイン・ファクトリーの田中宗一郎を司会に据えた形で行った、結果的に2時間以上に及んだ会話の抜粋をお届けすることにしたい。
「大衆との接点を持つことに対する異常なまでの強迫観念がある」――テイラー・スウィフトが、世界的ポップスターの地位に上り詰めた要因
田中:テイラー・スウィフトの最新作『folklore』は、The Nationalのアーロン・デスナーが全16曲中11曲を共同プロデュースして、一緒に曲も書いている。そしてBon Iverや、The National作品を手がけるエンジニアのジョナサン・ロウや、その周辺の人脈も多数参加していることもあって、USインディフォークの文脈に接近したアルバムと囁かれている作品です。
なので、この座談会では、USインディに精通し、自身の作品にもその成果を反映させてきた三船くんや岡田くん、後藤くんが、このアルバムをどう聴いたのか、といったことを中心に教えてもらえればと思います。
三船:『folklore』を語るのに男性率100%で本当に申し訳ないですよ。ガールズポップアイコンを語るのにこのパーセンテージはいかがなものか、と先に提唱してから話をはじめたい(笑)。
後藤:それはあるよね。ホモソーシャル的な関係性で、男の子だけで語っちゃうみたいな。その反省は記しておいてほしいね。
テイラー・スウィフト『folklore』を聴く(Apple Musicはこちら)
後藤:まず、『folklore』は音楽好きにはちゃんと届いている印象があります。「興味なかったけど聴きました」っていう知り合いもわりと見かけた。でも、岡田くんや三船くんみたいに、フォークについて考えて実践してきた人たちはどう思うのかな? って気になっていたんですよね。岡田くんからはポジティブな言葉が一切出てこないんじゃないかって心配なんだけど(笑)。
田中:むしろ岡田くんは今回その役割だから(笑)。ただ、『folklore』の話に行く前に、まずはみんながこれまでテイラー・スウィフトとはどういった距離感で接してきたのか、その辺りから教えてください。
後藤:宗さんはずっと、「テイラーがいい」って推してましたよね。
田中:2010年の3rdアルバム『Speak Now』のあとくらいから騒ぎだして。当時はまだ雑誌『snoozer』をやっていたんだけど、「テイラー・スウィフトやりたいんだけど」って言っても、音楽業界の人たちからは「いやいや、何を血迷ってるんですか」って反応で(笑)。で、『Red』(2012年)が出たあとから、DJでもテイラー・スウィフトの曲を使い出すんだけど、一部の女の子を除くと、最初はお客さんもドン引きだった。そこからの10年だから。
岡田:そもそもタナソウさんはテイラー・スウィフトの何が面白いと思ったのか、気になるな。
田中:当初はソングライティングに対する興味ですね。サウンドというよりはリリック。2000年代の後半というのはUSインディの何度目かの大波が来ていたじゃないですか。だから、2008年にテイラーの2nd『Fearless』が全米1位になったときも、まだ彼女のことはほとんど意識していなかった。
で、2009年、雑誌『snoozer』が年間ベストアルバム第1位に選んだアルバムがGirlsだったんですよ。そのとき、Girlsのクリストファー・オーウェンスが「パーソナルな物語を使って、それを誰もが共有できる物語に昇華しているのは、僕とテイラー・スウィフトだけだ」みたいなことを言ってて。それがかなり腑に落ちたところがあって。
Girls『Album』(2009年)を聴く(Apple Musicはこちら)
田中:ちょうどR&Bとラップをもう一回熱心に聴きはじめた時期でもあったから、プロダクション以上にメロディのフロウ、言葉のデリバリー、トピックとして何を歌うかに興味が向かっていたし。あと、テイラー以前にケイティ・ペリーがめっちゃ売れてた時期でもあったの。最初はその理由もよくわからなくて。でも結局、ポイントはリリックなんだなって考えに至った。後藤くんは、これまでテイラー・スウィフトのことはどんなふうに見ていたんですか?
後藤:宗さんが聴きはじめた当時はまだテイラー・スウィフトに注目してなかったけど、今年Netflixで配信された彼女のドキュメンタリー『ミス・アメリカーナ』を見て、そのストラグルとかカルマがよくわかった。みんなから認められたいのに認められないっていう、ルサンチマンや誤解の積み重ねに向き合っているんですよね。
後藤:一応、日本のポップミュージックのメジャーシーンにいる身としては、ソングライティングについて考えさせられるところもあって。三船くんと岡田くんもそうだと思うんだけど、自分はミュージックのほうに偏っているから。
田中:テイラーの場合、より言葉を重視していると感じた?
後藤:彼女はいきなり詞を書くんですよ。自分事を歌詞にするんだけど、それがティーンや同じ世代の人たち、もっと広い層の人たちにどのくらい刺さるかっていう物差しが即座に立ち上がって、いいか悪いかが判断されているように見えて。「ああ、こういうことをしてるんだ」っていうショックを受けた。俺の場合、この表現は自分にとっていいか悪いかって物差しをまず信用するところがある。もちろんテイラー・スウィフトにもそれはあるんだろうけど、もっとポップミュージックとまみれている感じがするんだよね。
田中:大衆との接点を持つことに対する異常なまでの強迫観念があるんだよね。
バンジョーを手放し、ダンスフロアへ。“We Are Never Ever Getting Back Together”の衝撃
田中:じゃあ、三船くんが初めてテイラーを知ったのはいつ頃ですか?
三船:たぶん宗さんと同じ10年くらい前だと思うんですけど、僕が初めて見たのは『グラミー賞』でのパフォーマンスでした。そのときはまだ彼女はポップスターじゃなくて、カントリーをアップデートしたポップスをやるハイブリッドな存在で。パフォーマンスもアコギとバンジョーを持ちながら、カントリースタイルでバーンッていくっていう。
日本に置き換えると、演歌のアップデート版をやってるような感じで、これは新しいなって思ったんです。そのあと、レディー・ガガの後ろから突然出てきたみたいな感じで、思いきりポップスターになっていきましたけど。
田中:順番で言うと、ケイティ・ペリー、レディー・ガガ、その後ろからテイラー・スウィフトが一気に追い抜かしていった感じだよね。ただ、『Speak Now』って、カントリーにモダンロックのプロダクションを加えてアップデートしたサウンドが絶妙にダサかったんですよ。「この感じ、何?」っていうむず痒さがあって(笑)。
後藤:そのあと、サウンド的には現代的なポップスの音になっていくわけじゃないですか。演歌的なものを脱ぎ捨てて、キックも打ち込みになった。あれって、向こうの人にとってはどういう感覚だったんですかね? ボブ・ディランがエレキを持ったくらいの衝撃があったのか、それともスッと受け入れられたのか。
田中:それなりに喧々諤々だったはず。『Red』をリリースする前に出したシングル“We Are Never Ever Getting Back Together”って、BPM 80ちょっとくらいで、リニアなキックがドンッドンッと入る。MVもいわゆる当時のインディロック的なビジュアルを引っ張ってきてたとも言えるから、それなりにバックラッシュはすごかった気がする。
三船:でも、あそこから風が変わって、日本のファンにも一気に広がった感じがしますよね。当時はEDMとか、Passion Pitとかのエレクトロポップも盛り上がっていて。テイラーはそっちのダンスフロアのポップスにいったんだ、って感覚が俺にはあったんですよ。ああ、バンジョーじゃないんだ、個人的にはちょっと残念だなと(笑)。でも、これはこれで楽しいなって。
田中:『Red』が出た2012年はEDMが盛り上がっていたと同時に、フランク・オーシャン『Channel Orange』やケンドリック・ラマー『good kid, m.A.A.d city』が出た年でもある。つまり、もう世の中のトレンドはラップ / R&Bに向かいはじめてるタイミングでもあった。
カントリーからポップへの転身を完全に達成した『1989』。世俗にまみれながらも、エッジーなものに常に目配せをする作家としてのあり方
田中:テイラーが後藤くんの視界に入ったのはいつ頃でした?
後藤:そんなに昔じゃなくて、“Shake It Off”(2014年)からなんですよ。あの曲って、メロディはアメリカンポップスでずっと使いまわされているようなものからの引用だけど、それをこういうふうに使うんだって。テイラー・スウィフトはそのタイミングで、アメリカの演歌であるカントリーの担い手から、グローバルなポップアイコンになった気がした。アンテナの感度の低い俺まで届いたんだから、本当になり切ったってことだよね(笑)。
田中:2014年は、アルバムで言うと『1989』の時期。実際これは、これまで段階的に進めてきたカントリーからポップへの転身が完全に達成されたアルバムでもあった。
田中:岡田くんは当時、テイラーは全く視界には入ってなかったですよね?
岡田:いや、全然。
後藤:なんなら今も入ってない、みたいな(笑)。
田中:そういった距離感からの彼女に対するザックリとした印象とかは何かありますか?
岡田:テイラー・スウィフトは世の中の流れに合わせて、時代時代の音に舵を切ってる印象はあって。
田中:いや、まさにその通り。
三船:テイラー・スウィフトはFacebookみたいですよね。Instagramが流行ったらインスタを買収して、Snapchatが流行ったらインスタにSnapchatの機能をぶち込んで、TikTokが流行ったらTikTokの機能をぶち込んでいく。そういう感覚はポップの文脈ではよくあることですよね。
後藤:しかも、少し遅れてやってるんだよね。
三船:で、そっちのほうがメインストリームになっていく。iPhoneの登場以前に全画面スマートフォンはあったのと同じで。
岡田:今この時点でブライス・デスナー(The Nationalのメンバーで、『folklore』ではオーケストラアレンジの一部を手がけている)を入れてくるのも、そういうポップミュージックのカルマを背負っている感じがしますね。
田中:(笑)。『Speak Now』以降のテイラーはずっとそうだよね。少し遅れて、大衆がついてこられるタイミングで、エッジーなものを取り込む。それが2017年の『Reputation』っていうアルバムではちょっとやり過ぎて、つまずいた。
田中:で、2019年の『Lover』ではどこか方向性を見失って、すごく平準化されたポップに回帰したところもある。それを経て、今回のレコードだから。だから、彼女はその時々にエッジーなものに目配せしながら、意識的に世俗にまみれるってことを常に手を汚しながらやってきた。そういう意味じゃ、まさにポップの権化のような作家だよね(笑)。
テイラー・スウィフトが『folklore』で打ち出した、16曲、約60分強という構成と収録時間から見えてくるポップミュージックの潮流
田中:ここまでは、テイラー・スウィフトのキャリアとそこに対するそれぞれの距離感をザックリと話してもらったんですけど、そろそろ『folklore』の話にいきましょうか。
田中:では、先に俺がカードを出しますね。ここ数年、アルバムの尺がヴァイナル2枚組分、約60分強というトレンドがある気がするんですよ。去年だったらVampire Weekendとか、ラナ・デル・レイのアルバムがそうだった。で、『folklore』の尺と曲数もほぼそれと同じなんですよ。
僕は、曲にとって一番大事なのは尺と構成、アルバムにとって一番大事なのは曲数と尺だと思ってるから、「これはシュアショット狙ってきてる!」とまずは思ったんですね。ヴァイナルで言うとアルバムのA面(最初の4曲)だけはちょっと苦手なんだけど、B、C、D面はかなりいいと思ってます。
岡田:僕はAのほうが好きだったな。
田中:マジか!(笑) ただ、やっぱりA面の4曲がポップソングとしてはウェルメイドなのは確かなんですよね。プロダクションも、現行のメインストリームの音楽と一番近い作りだと思う。スネアはいろんな音色だけど、全部リニアなビートだし、キックはハッキリしてる。B、C、D面は若干、音像がクリアじゃないんですよね。ちょっと混沌としてる。A面の4曲は、空間がカッチリと出た今のストリーミング向けの音なんだけど。
後藤:最近あんなにアルバムの収録曲が増えてるのは、今はレコード2枚組が基本的なフォーマットになってるっていうことですか? 4×4=16曲っていう。
田中:だと思います。少なくとも、さっき挙げた2枚のレコードは明らかに4面を意識した作り方。
後藤:でも、それをストリーミングで聴くと冗長に感じちゃうんですよね。プレイリスト文化だから、何曲かヒットしてればいいみたいな話かもしれないし、その辺りの難しさはあるけど。でも、岡田くんが最初の4曲がいいって言ったのもわかる気がする。リヴァーブのかけ方とか、最初のほうが気持ちいいなと思いましたよ。
岡田:僕の集中力が持ったのが4曲だけだったのかもしれないですね(笑)。そういう意味では、4曲ずつっていうターム感は音楽を聴くときに無意識に持ってるものだと思う。
今はフィジカルで聴くならアナログになってるけど、アナログの場合はA面、B面にするより、4面にするほうがストーリーは作りやすいと思うんですよ。だから、最終的にアナログに落とすっていうのと、数打てばプレイリストに入るかもっていうので、曲数を増やすのは理に適ってる気がしますね。
田中:作り手が自分の作品の聴かれ方をコントロールできない時代じゃないですか。でも、作品に対する自分自身の正解を提示しておきたいと考えた場合に、それをヴァイナルという単位に落とし込むというのはすごくリーズナブルだと思うんですね。
田中:それと、これまでのテイラーは1曲ずつでどれだけフックのあるストーリーを書くかに腐心していたと思うんだけど、今回は全16曲という繋がりでロングストーリーを語ることをやりたかったんじゃないかな。そう考えると、4面で16曲っていう受け皿は、彼女の創作に対するモチベーションともクロスオーバーしたんだろうなと思います。
「このプロダクションにこのボーカルの組み合わせ、只者じゃない!」――後藤と三船はテイラー自身の声そのものの質感に着目
田中:僕はそんなふうにまず曲数と全体の尺という観点から『folklore』を聴いたんだけど、みんなはこのアルバムをどう聴きました?
後藤:三船くんと一緒に聴いたんですよ、僕のスタジオで。
三船:ROTH BART BARONのアルバム『極彩色の祝祭』が完成して、ゴッチのスタジオのサウンドシステムで聴かせてくださいってオファーをして。それでアルバムを聴いたあとに、最近聴いてるものと聴き比べをすることになって、テイラーの新作も聴いたんです。
ROTH BART BARON『極彩色の祝祭』を聴く(Apple Musicはこちら)
田中:しっかりしたシステムで『folklore』を聴いてみて、どうでした?
後藤:「後ろのトラックのデザインがいいよね」って三船くんとも話してました。ただ、ボーカルの処理の仕方はよくも悪くもテイラー・スウィフト。すごくしっかりトリートメントされている。でも、俺はテイラーが譲りたくないのもよくわかる。自分が好きな感じって絶対あるから。俺も、「何を歌ってもあの人」になっちゃう系だから(笑)。
完全に変わったことをやりたければ、手放さなければできないのは事実なんですよ。たとえば、俺と岡田くんがやるんだったら、ジャッジは岡田くんにしてもらわないと新しいものにはならない。俺が最後にジャッジすると、「もうちょっと歌はドライで」とかなっちゃうから。
田中:ただ、ボーカルが一番トリートメントされてるのは、アルバムの頭のほうじゃない? 後半は鳴りの音を拾ったようなボーカルの録り方もしてる。俺は、むしろそっちのほうがいいなと思っちゃうんですよね。
三船:B面くらいから毛色が変わってきますよね、わかります。
田中:B面の中盤、あとC面とか、すごくいいよね。じゃあ、『folklore』のアーロン・デスナー・ワークとしての評価はどうですか?
三船:メインストリームのチャートミュージックでは絶対ないよね、っていうアーロンのピアノのリフの質感が感じられて、最初はそこにドキッとしたんですよね。テクニック的なことを言うと、KORGのドラムマシーンのペタペタッとした音からリアンプしてる音像感、音響感はポップスではあまりないものだし。今のポップスはわりとノートパソコン1台で完結する音で作っちゃうから。
三船:全部の音がトリートメントされているんだけど、そこにいい感じに雑味が入っていて、「これくらいラフでいいじゃん」ってカジュアルな音が聴こえるんですよね。そういったポップソングって、最近他にあるのか? っていう。
田中:ないよね、実際のところ。
三船:ただ、テイラーの声にはプラグインが入ってるから、Photoshopで修正した顔みたいになってるのも確かで。そこがもっとオーガニックだったら、もっとフォークロアだったなって。でも、テイラー・スウィフトっていう色眼鏡を外して聴いたら、すごくオーガニックな印象を受けると思う。ローラ・マーリングとか、そっちの文脈で聴く気がするな。ブラインドテストしたら、「このプロダクションにこのボーカルの組み合わせ、只者じゃない!」って思うはずなんですよ。
田中:聴いたことがないバランスだってことだよね?
三船:そう、ドキッとする。
田中:確かにここまでビッグネームだと、誰一人として色眼鏡を外して聴くことが難しいからね。間違いなくそういうディスアドバンテージが彼女にはある。
後藤:それは本当に彼女が背負ってるものですね。
三船:でも、いいと思いました。自分は結構、この夏に聴いてたなって。“seven”とか“invisible string”とか、あの辺のThe National節が感じられる曲に惹かれますね。
なぜ「folklore=民間伝承」というタイトルだったのか? このひと言から、テイラー自身が抱える葛藤、音楽家としての野望、トレンドへの目ざとさが垣間見える
田中:『folklore』っていうアルバムタイトルについては、どのように捉えています?
後藤:すごいタイトルだと思うけどね。俺は「私自身が民間伝承(フォークロア)になる」っていう、そんなデカい野望なのかなって思いました。
岡田:ヤバいですね、それ(笑)。
後藤:テイラーには「語り継がれたい」みたいな欲望がある気がするんだよね。『ミス・アメリカーナ』のなかでも、「歌いまわしがディランみたい」って言ってるところがあって。ああいうものをロールモデルにしはじめてるんじゃないかっていう気がしてる。
三船:『The Freewheelin' Bob Dylan』(1963年)くらいの時期のボブ・ディランの話がテイラーから出ていたって、アーロンも『Rolling Stone』のインタビューで言ってた。
田中:その変化の理由はどこにあると後藤くんは考えていますか?
後藤:彼女は自分が消費されてることにも薄々気がついていて。『ミス・アメリカーナ』でも、「女性ミュージシャンは使い古されるんだ」みたいなことを言ってる。そういう視点もあるのかなと思いました。どうにかして、誰もが認める形で「アーティスト」になっていかないと、自分もゴミ箱に叩き込まれるっていう気持ちがあるんじゃないかなって。
田中:リリックの話で言うと、これまでの彼女は自分のパーソナルストーリーを大衆のナラティブに書き換えるっていう手法を取ってたんだけど、今回は全部キャラクターを立てているんですよ。1曲ずつトピックを変えて、設定を変えて。一人称では歌ってるけど、三人称のキャラクターを作っている。
それは多分、カントリーのソングライティングにはない考え方で。乱暴に言うと、ブリティッシュフォークのアイデアですよね。そういう意味でのフォークロアをやることで、後藤くんが言ってるように、自分が消費されていくっていうメカニズムから距離を置くという意図もあったんだと思う。
後藤:ときどき自分のことを書いちゃうラインがあるんだよね(笑)。これは自分のことでしょ? っていう。
田中:そうそう(笑)。でも、そこがいいんだと思うの。他人の話をしてたつもりなんだけど、自分のエモーションがドロッと入ってしまうっていう。
三船:タイトルと関連した話で言うと、コロナのパンデミックが起きてから、ヨーロッパとかアメリカのインスタのハッシュタグで「folklore」がトレンドになってたんですよ。
田中:このアルバムが出る少し前にね。
三船:そう。都会の子たちがちょっと郊外の田舎に住んで、綺麗なカフェみたいにリメイクされたロッジのベンチで、オーガニックなカーディガンとか羽織りながら、「都会から離れてます」みたいなライフスタイルをビジュアルとして残すのがハイプになってた。
その矢先に、ROTH BART BARONのアルバムもやってくれたジョン(ジョナサン・ロウ)が『folklore』を手がけたっていうことで、俺のタイムラインにジョンの投稿でテイラー・スウィフトがいきなり出てきたわけですよ。「お前、出世したな!」と思ったら、「あ、The Nationalの繋がりでやったんだ」みたいな。で、しかもそのアルバムのタイトルが『folklore』なんだ! って。そこで二重に驚くっていう。この夏一番の衝撃でした(笑)。
田中:だから、タイトルとアートワークが先にオープンにされたときは間違いなく衝撃だったよね。こんなタイミングで、すべてがバッチリのレコードが出てくるんだ! って。
『folklore』は、テイラー・スウィフトの今後のキャリアを決定づける作品かもしれない
田中:あと、ひとつ思うのは、テイラー・スウィフトって、もはやメインストリームポップの暴走機関車から降りられない状態になってたわけじゃないですか。だから、もしかすると、作家としてはパンデミックによって誰よりも救われた人かもしれない。このレコードを聴く限りにおいては。
後藤:そうかもね。実際、こんなにたくさんの曲が入ってるのは、作る時間があったからでもあったんだろうなって。コロナはライブができないっていう意味では大変だけど、プロモーションに行かなくてよくなったのは創作活動にとってはプラスで。特に忙しかった人たちは、みんな考え直しているんじゃないですかね。こんなにゆったり作っていいんだって。北半球のグローバルなミュージシャンだったら、夏は北半球のフェスに出て、冬には南半球のフェスがあって、ツアーの日程もある程度それに合わせて決まっちゃうから。
三船:3年くらいはそれに忙殺されちゃって、バンドがギスギスして(笑)、1年くらい回復期間を置いてから次のアルバム、みたいなのは多い。
後藤:日本のバンドですらそれはあるんだから、ああいう人たちは組み込まれたスケジュールに忙殺されてたところがあるだろうね。
田中:ルーティンから解き放たれたことがアドバンテージになったアルバムだと思う。『folklore』を踏まえて、これからのテイラーに期待することは何かありますか?
後藤:この先を見たいな、っていう感じはするかな。これが幸せな着地をすると、テイラーも幸せだし、インディフォークにもまたいい季節が来るのかもしれない。そういう意味では、このアルバムは成功だったと彼女に捉えてほしい。実際、この先に未来を見たほうが彼女は消耗しないんじゃないかな? それこそジョニ・ミッチェルやボブ・ディランになれなくても、テイラー・スウィフトとして60、70歳で歌ってる未来はこっちのほうにあるんじゃないかな。もう一度、暴走機関車に乗りますってなったら、どうなるかわからないけど。
田中:岡田くんが嫌がるようなことをわざと言うと、暴走機関車を降りたっていう意味では、ボブ・ディランのキャリアで言うと、このアルバム、まさに『John Wesley Harding』(1967年)なんですよ。あの、隠遁後初のディランのアルバムを聴いた当時のファンが、彼の発声にしろ、音楽性にしろ、誰もが「えっ?」って思った感じと、ストーリー的にはすごく近い。
後藤:だから、すごい渋いブルーズバンドを引き連れて、“Shake It Off”を三拍子でやればいいんですよ。すごい低いしゃがれた声で、何を歌ってるかわからないっていう(笑)。
三船:僕が一番いいなと思ったのは、彼女に変われる勇気があったっていうことで。だって、“We Are Never Ever Getting Back Together”で、彼氏を揶揄するように「どうせ私の音楽よりクールなインディロックを聴いてるんでしょ」って歌ってたテイラー・スウィフトが、インディロックにめっちゃ近づくってヤバくないですか?(笑)
田中:(笑)。いや、まさにそうなんだよね。
後藤:きっと世間の評価はすごく気にするだろうから、それが彼女の今後の人生を決めてしまう気がする。でも、専門家筋の評価はいいんですよね?
田中:そう。今回は『The Guardian』が満点をつけて、『Rolling Stone』が5つ星中4つ星半、『Pitchfork』は8.0点と、軒並み高評価。
三船:ビルボードでも通算8週1位ですよね、すごいですよ。あと、いいなと思ったのは、リリースのときに、自分で勝手にレコードにサインを書いて、インディのレコードショップをちゃんとサポートしたっていう話。自分がどれだけのポジションにいて、どれだけ売れる見込みがあって、どれだけのレコードストアをコロナの中で救えるか? ってことをちゃんと考えて行動しているのは素晴らしいなって思う。
後藤:それはいいね。
三人の音楽家がインスパイアされた2020年作のアルバムと、『folklore』の評価。まずは後藤正文から
田中:最後にゲーム的な質問を2つさせてください。ひとつは、3人それぞれ、今年リリースされたレコードの中で特にインスパイアされたものをいくつか理由と共に挙げてください。もうひとつは、『folklore』が2020年の自分内ベストチャートの何位までだったら入るか、っていう質問です。
後藤:Peter CottonTaleの『Catch』はよく聴いてましたね。ああいうゴスペルフィーリングが自分的には居心地がよくて。許しっていうかね。あと、Brasstracksの『Golden Ticket』もよかったです。
Peter CottonTale『Catch』を聴く(Apple Musicはこちら)Brasstracks『Golden Ticket』を聴く(Apple Musicはこちら)
田中:Chance the Rapperの“No Problem”もプロデュースした東海岸のデュオですね。
後藤:今は世の中がギスギスしてるから、その場にいていいんだ、みたいな感覚が薄れてきてる感じがする。とにかく、次は誰を爪弾きにするのか? ってことばかりだし。だからこそ、そういうゴスペルフィーリングのアルバムが自分的には大きくて。あとは……岡田くんが挙げそうだからブレイク・ミルズは挙げない(笑)。
岡田:ハハハッ。
三船:僕も挙げたい、それは(笑)。
後藤:サウンドで言うと、トム・ミッシュがジャズドラマーのユセフ・デイズとやった『What Kinda Music』がよかったんだよね。生の音でやってて、ドラムの録音がいい。ここ数年、いいドラマーでもキックだけ差し替わってることがあるけど、「そこはいくらビートミュージックとは言え、やっちゃいけないことなんじゃないの?」って気持ちもあるから(笑)。少なくとも、自分が求めているものとは違う。
トム・ミッシュ&ユセフ・デイズ『What Kinda Music』を聴く(Apple Musicはこちら)Gotch『The Age』を聴く(Apple Musicはこちら)
後藤:だから、Peter CottonTaleに通じる人間味というか、人肌がわかるような音がすごくいいなと思った。僕はすごくそこに注目してたし、そこと地続きで自分の曲を一生懸命作ってるっていう感じですね。
田中:なるほど。
後藤:あと、HAIM『Women In Music Pt. III』もめちゃくちゃいいビンテージ機材を使いまくってて、音が素晴らしい。もう一度ロックをやっていいのかなって、ちょっと思った。今回は半分くらいデイヴ・フリッドマンがミックスをしてるんですけど、2008年頃は彼のミックスはちょっとトゥーマッチだなと思うことが多かったんですよ。潰しすぎで。でも何周か回って、それがよく聴こえたんだよね。あれはアナログ機材の歪みだからオーガニックで。嫌じゃないなって。
三船:人間の温かみがある感じですよね。
後藤:そう、その人間味という繋がりはHAIMにも感じてた。
HAIM『Women In Music Pt. III』を聴く(Apple Musicはこちら)
後藤:で、テイラーが何位かでしょ? 50枚だったら入れるかもしれないですね。でも、今年は年間で買うレコードが50枚から100枚の間だとして、っていうことは『folklore』も買わないといけないな(笑)。
田中:ヴァイナルの4面で聴いたら、また印象が変わるかもよ。ミキシングも違うだろうし。
後藤:そうですね。じゃあ、買おう。50枚に入れますよ。16曲っていうのがレコードのための曲数でもあるっていう話と、三船くんが言ってたインディレコードショップの応援っていう意味も含めて、これはレコードで聴かなきゃなっていう気持ちになりました。
「フォークロアは資本主義の対極にあるものとして彼らは考えていると思う」――岡田拓郎がインスパイアされた3組の音楽家たち
田中:じゃあ、次は岡田くんがいきますか?
岡田:やっぱり新譜だとブレイク・ミルズは入りますね。ブレイク・ミルズ『Mutable Set』、サム・ゲンデル『Satin Doll』、あとはDirty Projectorsの5枚のEP。フォーク、R&B、ソウル、ヒップホップとか、ギターとベースとドラムがある音楽って、ここ50年、アメリカンカルチャーのなかでがんじがらめになっていたと改めて感じていて。そういうなかで、ブレイク・ミルズとサム・ゲンデルはアメリカの音楽だとしても、アメリカのフォークロアとは離れたフォークロアを探っている人たちだと思うんですね。南米だったり、アフリカだったり。
ブレイク・ミルズ『Mutable Set』を聴く(Apple Musicはこちら)サム・ゲンデル『Satin Doll』を聴く(Apple Musicはこちら)
岡田拓郎『Morning Sun』を聴く(Apple Musicはこちら)
田中:つまり、アメリカだけじゃなくて、世界中にあるいろんなフォークロアを意識的に取り入れた音楽をやっている。
岡田:ある種フォークロアは資本主義の対極にあるものとして彼らは考えていると思います。そういうものを模索していく試みがブレイク・ミルズとサム・ゲンデルからはすごく感じる。20世紀以降の資本主義社会の手本を作ったアメリカのなかにいる人がそれをやってるのも面白いと思ったし。あの2枚は今年ずっと聴いてますね。で、Dirty Projectorsはそれをずっとやってきた人で。だから、僕はその3枚かな。
Dirty Projectors『Earth Crisis』を聴く(Apple Musicはこちら)
田中:いいチョイスですね。じゃあ、テイラー・スウィフトはどうですか?
岡田:今年はレコード屋に行けないから通販でレコードを買ってたけど、100枚、200枚買っても、まだテイラー・スウィフトは入っていないかな。
田中:ハハハッ!
岡田:でも、今日ここで話を聞いてて、このCINRA.NETの記事を読んでテイラーのアルバムを買う人は各都道府県で10人くらいいるんじゃないかなって思いました。
「僕は変わろうとしている人間を見るのが好きなんですよ」――三船雅也がテイラー・スウィフトに向ける眼差し
田中:じゃあ、最後に三船くんの答えを教えてください。
三船:まずテイラーのアルバムは15位くらいじゃないかな。僕は変わろうとしている人間を見るのが好きなんですよ。
後藤:確かに、その美しさはあるよね。
三船:自分の作品をやってくれたエンジニアがテイラーのアルバムを手がけているっていう、ちょっと個人的な思いもあるけど。自分を構成する音がそこで鳴っているのは、なんか繋がっている感じがして。一番自分の人生に近いテイラー・スウィフトのアルバムかもなって思う。
田中:ジョン・ロウは本当にこのアルバムのキーパーソンだと思います。ジャック・アントノフがやった曲、アーロン・デスナーがやった曲、それぞれ録音もかなり違っているし、そのバラバラさをむしろ上手く流れに落とし込んでいるので。よく1枚のアルバムにまとめたなって思う。テイラーは15位として、三船くんが今年インスパイアされたアルバムと言うと?
三船:ニコラス・ジャー『Cenizas』は今年でしたっけ? あれは今年前半によく聴いてた。ブレイク・ミルズは岡田くんと被っちゃうけど、あれは横っ面を引っぱたかれたな。こいつは音に対する空間把握能力がおかしい! と思って。まだ新しいことは全然やれると思った。スピーカーが2つしかないのに、なんだこの立体感は? って。
岡田:前後あるもんね、左右だけじゃなくて。
三船:すべてのミュージシャンはあれを聴けと思っています。で、そのアルバムを出したときに、ボブ・ディラン『Rough and Rowdy Ways』にブレイク・ミルズが参加してますって情報も出て。だから、ディランも聴いていました。僕はブレイク・ミルズの代わりにディランを入れようかな。
ニコラス・ジャー『Cenizas』を聴く(Apple Musicはこちら)ボブ・ディラン『Rough and Rowdy Ways』(Apple Musicはこちら)
岡田:ディランはブレイク・ミルズのアルバムみたいな感じだったよね。
三船:すごいよかったよね。だから、ニコラス・ジャーではじまって、ブレイク・ミルズで衝撃を受けて、テイラーでビビる夏、みたいな感じでしたね。
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- リリース情報
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- テイラー・スウィフト
『folklore』 -
2020年7月24日(金)配信
1. the 1
2. cardigan
3. the last great american dynasty
4. exile (feat. bon iver)
5. my tears ricochet
6. mirrorball
7. seven
8. august
9. this is me trying
10. illicit affairs
11. invisible string
12. mad woman
13. epiphany
14. betty
15. peace
16. hoax
17. the lakes
- テイラー・スウィフト
- プロフィール
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- 岡田拓郎 (おかだ たくろう)
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1991年生まれ。東京都福生市育ち。ソングライター / ギタリスト / プロデューサー。2012年にバンド「森は生きている」を結成。P-VINE RECORDSより『森は生きている』、『グッド・ナイト』をリリース。2015年に解散。2017年10月、ソロ名義「Okada Takuro」としてデビューアルバム『ノスタルジア』をHostess Entertainmentからリリース。2018年には、1983年リリースされたスティーヴ・ハイエットの『渚にて』に収録されている“By The Pool”のカバー曲を含む4曲入り『The Beach EP』をリリース。2020年6月、約3年ぶりとなる待望の2ndアルバム『New Morning』をリリース。
- 後藤正文 (ごとう まさふみ)
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1976年、静岡県生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギター。新しい時代とこれからの社会を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長を務める。インディーズレーベル『only in dreams』主宰。2020年10月、Gotch名義にてシングル『The Age』を発表。
- 田中宗一郎 (たなか そういちろう)
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編集者、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『rockin’on』副編集長を務めたのち、1997年に音楽雑誌『snoozer』を創刊。同誌は2011年6月をもって終刊。2013年、小林祥晴らとともに『The Sign Magazine』を開設し、クリエイティブディレクターを務める。自らが主催するオールジャンルクラブイベント、『club snoozer』を全国各地で開催している。Spotifyプレイリスト『POP LIFE』の選曲、『POP LIFE: The Podcast』の制作出演。
- 三船雅也 (みふね まさや)
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1987年、東京世田谷区生まれ。2009年にROTH BART BARONを結成。自主制作にて3枚のEPをリリースしたあと、felicityより5作のフルアルバムを発表。バンドは『FUJI ROCK FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』など大型フェスにも出演。また、中国・台湾・モンゴルを回るアジア・ツアーや、NYやボストンなど北米7都市を回るUSツアーなど、海外でのツアーも精力的に展開。2020年10月、最新作『極彩色の祝祭』を発表。音楽とヒグマをこよなく愛す。趣味は写真。
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