文化庁メディア芸術祭実行委員会による『第21回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品が発表された。
アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰する『文化庁メディア芸術祭』。今年度は過去最多となる98の国と地域から4192作品の応募が集まった。
アート部門の大賞に輝いたのはチュニジア出身のヘイサム・ザカリアによる映像インスタレーション『Interstices / Opus I - Opus II』。砂漠の風景を捉えた『Opus I』と海の風景を捉えた『Opus II』の映像にデジタル処理を施し、「メタ・ランドスケープ」を作り出すインスタレーションプロジェクトとなる。優秀賞には菅野創/やんツーの『アバターズ』、畒見達夫/ダニエル・ビシグの『進化する恋人たちの社会における高速伝記』、折笠良の『水準原点』、Furen Daiの『Language Producing Factory』が選ばれたほか、新人賞には会田誠の息子・会田寅次郎のメディアインスタレーション『I'm In The Computer Memory!』も選出されている。
エンターテインメント部門の大賞は巨大遺跡の謎を解き明かすアドベンチャーゲーム『人喰いの大鷲トリコ』。上田文人が監督とゲームデザインを担当した。優秀賞にはカナダで制作された、森を歩くエンターテインメントプログラム『FORESTA LUMINA』、音楽プロジェクト「INDUSTRIAL JP」、米辻泰山によるウェブアプリ「PaintsChainer」、ぬいぐるみに取りつけるボタン型スピーカー「Pechat」が選ばれた。
アニメーション部門は、片渕須直監督の『この世界の片隅に』、湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』の2作品が大賞を同時受賞。2作品が大賞に選出されるのは、2001年以来となる。優秀賞に輝いたのは、大谷たらふが監督したyuichi NAGAO“ハルモニア feat. Makoto”のPV、オリジナルビデオアニメ『COCOLORS』、Ru Kuwahataとマックス・ポーターが監督し、『第90回アカデミー賞』短編アニメ部門にノミネートされた『Negative Space』。新人賞にはテレビアニメ『舟を編む』など3作品が名を連ねる。
マンガ部門の大賞に選ばれたのは『繕い裁つ人』『プリンセスメゾン』などの作品で知られる池辺葵の短編集『ねぇ、ママ』。優秀賞には伊図透『銃座のウルナ』、高浜寛『ニュクスの角灯』、上野顕太郎『夜の眼は千でございます』、山田胡瓜『AIの遺電子』が選出された。新人賞は久野遥子『甘木唯子のツノと愛』、増村十七『バクちゃん』、板垣巴留『BEASTARS』。
贈呈式は6月12日、受賞作品展は6月13日から24日まで東京・六本木の国立新美術館で開催される。
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『第21回 文化庁メディア芸術祭』受賞作品
アート部門 大賞 Haythem Zakaria『Interstices / Opus I - Opus II』 優秀賞 菅野創、やんツー『アバターズ』 畒見達夫、ダニエル・ビシグ『進化する恋人たちの社会における高速伝記』 折笠良『水準原点』 DAI Furen『Language Producing Factory』 新人賞 会田寅次郎『I'm In The Computer Memory!』 Gary Setzer『Panderer (Seventeen Seconds)』 YANO『The Dither is Naked』 エンターテインメント部門 大賞 『人喰いの大鷲トリコ』『人喰いの大鷲トリコ』開発チーム(代表:上田文人) 優秀賞 『FORESTA LUMINA』『FORESTA LUMINA』制作チーム 『INDUSTRIAL JP』INDUSTRIAL JP 『PaintsChainer』米辻泰山 『Pechat』『Pechat』開発チーム(代表:小野直紀) 新人賞 石川泰昭、ミカヅキフタツ、Keishi Kondo『盲目の魚-The Blind Fish-』 Andrej Boleslavský『Dust』Mária Júdová 『MetaLimbs』 佐々木 智也/MHD Yamen Saraiji アニメーション部門 大賞 片渕須直『この世界の片隅に』 湯浅政明『夜明け告げるルーのうた』 優秀賞 大谷たらふ『ハルモニア feat. Makoto』 『COCOLORS』『COCOLORS』制作チーム(代表:横嶋俊久) Ru Kuwahata、Max Porter『Negative Space』 新人賞 黒柳トシマサ『舟を編む』 Anastasia Melikhova『The First Thunder』 Nicolas Fong『Yin』 マンガ部門 大賞 池辺葵『ねぇ、ママ』 優秀賞 伊図透『銃座のウルナ』 高浜寛『ニュクスの角灯』 上野顕太郎『夜の眼は千でございます』 山田胡瓜『AIの遺電子』 新人賞 久野遥子『甘木唯子のツノと愛』 増村十七『バクちゃん』 板垣巴留『BEASTARS』 功労賞 田宮俊作 竹内オサム- イベント情報
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『第21回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』
2018年6月13日(水)~6月24日(日) 会場:東京都 六本木 国立新美術館
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?