映画『蜜蜂と遠雷』の公開日が10月4日に決定。参加ピアニストの発表に加えて、場面写真が公開された。
ピアノコンクールを舞台にした『蜜蜂と遠雷』は、恩田陸の同名小説をもとにした作品。ピアニストになることから逃げてきた元天才少女・亜夜役を松岡茉優、妻子を持ちながらも夢を諦めきれない明石役を松坂桃李、名門音楽院に在籍するマサル役を森崎ウィン、世界最高峰のピアニストから推薦状を受け取った謎の少年・塵役を新人の鈴鹿央士が演じた。
今回発表されたピアニストは、河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央。国内外で活動する河村は亜夜、羽生結弦と共演した経験を持つ福間は明石、皇后陛下の御前での演奏経験を持つ金子はマサル、18歳にして国際コンクールで優勝した藤田は塵の演奏を担当した。宮沢賢治の同名詩をモチーフにした劇中曲“春と修羅”の作曲は藤倉大が手掛けた。場面写真には、亜夜、明石、マサル、塵の演奏シーンが写し出されている。
さらにゴールデンウィークに行なわれる音楽祭『ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019』とのコラボを実施。福間洸太朗出演公演、金子三勇士出演公演、藤倉大プロデュース、出演公演の3公演のノベルティー付きセット券が3月16日11:00から東京・有楽町の東京国際フォーラムの地上広場ボックスオフィスで限定発売される。音楽祭期間中には『蜜蜂と遠雷』に登場する作品を聴くことができるコンサート情報の発信や、トークイベントを予定。
河村尚子のコメント
恩田陸さんは、演奏家がピアノに向かうまでの心の機微、不可思議で魔法のようなピアノ音楽の姿を、リアルかつ細やかに描かれています。映像と音を伴うことで、音楽を志す若者たちの熱い精神がより鮮やかに伝わりますように!
福間洸太朗のコメント
このプロジェクトに参加させていただき、大変光栄です。録音前に小説を読み返し、家庭を持つ社会人としてコンクールに挑戦する高島明石の音を追求してみました。聴く人へ勇気と癒しを与えることが、明石と私の願いです。
金子三勇士のコメント
国際コンクールの本選には、まず選ばない難曲をあえてぶつけてきたマサル。彼に同化して弾いたプロコフィエフの協奏曲がどのような映像作品に昇華したのか、一番楽しみにしている一人です。
藤田真央のコメント
「蜜蜂と遠雷」は、発売されてすぐに読みました。音楽を文章でここまで表現できるものなのかと、とても感動しました。今回担当させていただいた風間塵くんのように、私も“音楽の神様”に愛されるピアニストであり続けたいです。
藤倉大のコメント
この度は「蜜蜂と遠雷」に出てくる架空の作曲家の作品の作曲をすることができ、その上に4人の全く違う今をときめくピアニストに演奏していただき大変嬉しいです。原作の著者恩田陸さんはこの架空の作品の描写を長く詳しく書いており、その表現全てを実際に反映し、なおかつ僕の音楽になっていて、一人一人のピアニストの個性がバッチリ出る曲、と言うものを目指しました。映画を観るのが待ち遠しいです。
石黒裕亮プロデューサーのコメント
これほどまでにピアノを正面から描いた作品はほかにありません。しかも中身はとてもリアル。
原作を読まれたクラシック業界の方たちは、「コンクールそのもの」「ものすごく取材がしっかりされている」と口を揃えて仰います。
だからこそ映画化にあたり、「一番大事な音楽で絶対に妥協はしない」と決めました。
ピアノ演奏の方々を決めた条件は、一線級のピアニストであること、そして亜夜、明石、マサル、塵のキャラクターを演奏で表現してくれること。
結果的に、日本最高峰の4人が揃いました。
河村尚子さんは、原作の恩田先生が個人的にコンサートに行かれるほどの実力派であり、優しさと強さの両面をもった演奏は、まさに亜夜そのものです。
明石をご担当された福間洸太朗さんは、さすがに楽器店では働いていないですが、包容力のあるキャラクターと繊細な演奏は、明石にぴったりでした。
金子三勇士さんは、その生い立ちも含めマサルのようだなと思ってました。そんなバックボーンから来ているのか、そのパワフルな演奏によって、見事にマサルの演奏を表現して頂きました。
そして風間塵をご担当された藤田真央さんは若干20歳。その年齢もさることながら、お話すると物凄くピアノが好きなことが伝わってきて、本当に塵と話しているようでした。
もともと恩田先生がモデルにしたのではないかと思えるほどぴったりな4人が集まったと思います。
そしてコンクールのオリジナル曲「春と修羅」には、藤倉大さんが参加。世界から絶賛される、現代の作曲家の最高峰です。
原作にある「春と修羅」にまつわる全てのワードを家の壁に貼り付けて作曲されたという力の入りようで、必聴です!
- 作品情報
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『蜜蜂と遠雷』
2019年10月4日(金)から全国公開監督・脚本:石川慶 原作:恩田陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎) 出演: 松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士 配給:東宝
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?