アニメ映画『クー!キン・ザ・ザ』から「クー!」41連発の特別動画到着

アニメーション映画『クー!キン・ザ・ザ』の特別動画が到着した。

5月14日から公開される同作は、映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』をゲオルギー・ダネリヤ監督自身がアニメ化した作品。キン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしたチェリストのチジョフとDJ志望の青年トリクが、ほとんど「クー!」しか言葉が存在しない異星人たちを相手に地球に帰ろうと奮闘する姿が描かれており、現代ロシアを戯画化し、風刺している。ゲオルギー・ダネリヤ監督は完成後の2019年に88歳で逝去し、同作が遺作となった。

「クー!」の開発35周年を記念して公開された動画には、劇中のキャラクターが「クー!」を発する41場面を抜粋して収録。キン・ザ・ザ星雲プリュク星には「キュー」という相手を罵倒する言葉以外の名詞、動詞、形容詞、副詞、感嘆詞などは全て「クー」で表現する。チジョフとトリク、宇宙人やロボットも「クー」でコミュニケーションを取る。

ゲオルギー・ダネリヤ監督は、政府の検閲によって「クー」が消滅の危機に瀕したことを明かしており、「検閲によって、“クー”も消滅の危機に晒されそうになった。当時の最高指導者ブレジネフの葬儀の後に、重要な「クー」という単語を、急遽、別の言葉に替えなければならなくなりそうだった。ある日、『プラヴダ』紙を見ると一面には、『K.U.チェルネンコ』の名が太字でいくつも印刷されていた。これはブレジネフの後継者としてコンスタンチン・ウスチノフ・チェルネンコが任命されたという報道であった。プリュク星では『クー(KU)』が全てを意味して繰り返し使われていた。我々は考えた。『カー』? いや違う!『コー』? 違う! 『クィ』? ありかも…。しかし、いずれも馴染みの『クー』には劣る。考えているうちにチェルネンコも亡くなった。その後を受け継いだアンドロポフ政権は我々の仕事に全く影響しなかった」と語っている。

なお、実写映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』が同じく5月14日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。

作品情報

『クー!キン・ザ・ザ』

2021年5月14日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開
監督:ゲオルギー・ダネリヤ、タチアナ・イリーナ 音楽:ギア・カンチェリ 声の出演: ニコライ・グベンコ イワン・ツェフミストレンコ アンドレイ・レオノフ 上映時間:92分 配給:パンドラ
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