街中でオブジェのようにマネキン化しているとの目撃情報も
謎を解き明かすのは楽しい。謎に加担するのは、もっと楽しい。見慣れた景色と意識を一変させる、世界の新たな扉を開く鍵は、いつだって「なにコレ?」な「謎」が運んでくる驚きだ。そんな謎をいま、2体のマネキン(!)が発信しているのをご存じだろうか?
それがFAR EAST MENTION MANNEQUINS・通称FEMM(フェム)である。始めは路上からのスタートだった。昨年秋から、東京・横浜・大阪・京都など各地で、まるで本物のマネキンに見える2人組が、ロボットならぬマネキンで練り歩いたり、街中でオブジェのようにマネキン化しているとの目撃情報がTwitterなどで報告されていったのをきっかけに、次第に情報は津々浦々に拡散されていったのだ。
ハリウッドの大作SF映画を思わせる意味深なティザームービー
そこからのFEMMの歩みも面白い。次に話題を呼んだのは1本のムービー“FEMM'S AGENCY SYNDICATE”だった。英語の女性ナレーションで始まるこのティザームービーは、まるでハリウッドの大作SF映画の予告編と見紛うような壮大なオープニングからスタートする。
そこで明らかにされるのは、マネキンであるFEMMがこの東京に現われた理由と、「人形に心はあるのか?」「人形の歌う歌に人は動かされるのか?」というメッセージ。FEMMとは自らの意志で動くマネキン人形であり、彼女たちが所属する「FEMM'S AGENCY SYNDICATE」というのは、世界中にFEMMを送り込む謎の組織なのだという。
このようになんとも遊び心満載なのが、FEMMのサイバーでアーティスティックなプロジェクトだ。2体のマネキンを演じて(といっては失礼ですね、彼女たちはまさにマネキンそのものなのだから)いるのは、FEMM'S AGENCY SYNDICATEコードネーム「SW-000000(RiRi)」と「MS-000000(LuLa)」。セーラー服、ボンデージスーツ、メイド服などロンドンから直輸入されたオーダーメイドのラバー製コスチュームに身を包んだFEMMのパフォーマンスは、練り上げられたバックストーリーと共に、私たちにリアルとバーチャルの境界線が生み出す、摩訶不思議なワクワク感を与えてくれる。
世界的なクリエイターとコラボしたハイクオリティーなパフォーマンスを続々披露
まさに謎だらけのマネキンダンスデュオ・FEMMの活動は、ティザームービーの公開後も神出鬼没だ。国内外の人気アーティストが集まる都市型フェス『NO BLUR CIRCUIT』に登場してパフォーマンスを披露したかと思えば、ピンクレディーの大ヒット曲“UFO”をエキサイティングなダンスミュージックとしてカバーした“FEMM - UFO feat. Fz from sfpr vs Invaderous”を動画で公開。さらに、レディー・ガガやアイコナ・ポップを手がけるブライアン・リーがプロデュースしたデビュー曲“Astroboy feat. Honey-B & W-Trouble”を立て続けに発表するなど、サプライズを精力的に発信し続けている。
今年の3月には、東京・新宿駅前のステーションスクエアで、StussyやX-LARGEなどの人気ブランドとのコラボで知られるロサンゼルス在住の日本人グラフィティアーティストCOOKONEのライブペインティング、NYアポロシアターの『アマチュアナイト』で年間チャンピオンとなったNo:Z(ナンバーズ)の平井龍太のダンスとコラボレーションしたパフォーマンスを実施。ここでまた、ニッキー・ミナージュらを手掛けるダニエル・ジェームズと、ブリトニー・スピアーズやセリーヌ・ディオンの楽曲にボーカルとして参加してきたリア・ヘイウッドとの共同プロデュースによる新曲“Wannabe”を電撃発表した。
さらに、今年3月には、伊勢丹新宿店でフランスのシャンパーニュブランド「ヴーヴ・クリコ」のイベントに出演。ステージに運び込まれたエレガントなドレス姿のFEMMが突然、ダンスパフォーマンスを披露するというサプライズな演出で会場を沸かせるなど、アーティスティックなコラボレーションによるワンダーを日々、仕掛けて続けている。
CDのリリースは一切ナシ。全ての楽曲をウェブサイトで公開
FEMMの活動で注目したいのが、CDを一切リリースせず、全ての楽曲がオフィシャルウェブサイトであるFEMM'S AGENCY SYNDICATEで公開されることだ。全世界をFEMM化するために行われている路上パフォーマンスシリーズ「Femm-Isation(フェムナイゼーション)」の活動報告も、全てこのサイトに集約されている。SNSのアカウント登録をして閲覧するという凝った作りになっていて、アクセスした人を先ほどのティザームービーでも語られた「世界中にFEMMを送り込む謎の組織」のメンバーへと誘う、ゲーム的な仕掛けも用意。FEMM'S AGENCY SYNDICATEこそ、FEMMのクリエイティブなオウンドメディアであり、ファンの秘密基地となっているのだ。
ちなみに、ティザームービーを筆頭に、FEMMのミュージックビデオには気鋭のクリエイターが参加。振り付けを担当するのは、The Black Eyed Peas、ミッシー・エリオット、WORLD ORDERや、ユニクロの『MIX PLAY』で知られる野口量率いる「Hidali」。映像制作を安室奈美恵やFACTのMVなどを手がける「IKIOI」が担当しているのも見逃せないポイントだ。
今年も、続々と新曲を発表していくらしいとの噂。ユニークなマネキンダンスと共に、楽曲の魅力にも注目していきたい。(私も立派なFEMM'S AGENCY SYNDICATEメンバーです!)
- リリース情報
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- FAR EAST MENTION MANNEQUINS
『Astroboy EP』 -
2014年4月2日(水)からiTunes Storeで配信
価格:600円(税込)1. Astroboy feat. Honey-B & W-Trouble
2. Astroboy feat. Honey-B & W-Trouble (Invaderous Remix)
3. Astroboy feat. Honey-B & W-Trouble (sfpr Remix)
4. Kiss The Rain (sfpr Remix)
5. Kiss The Rain (Invaderous Remix)
6. UFO feat. Fz from sfpr vs Invaderous
- FAR EAST MENTION MANNEQUINS
- プロフィール
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- FAR EAST MENTION MANNEQUINS (ふぁー・いーすと・めんしょん・まねきんず)
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通称「FEMM(フェム)」。世界のトップ・クリエイターたちが恋したマネキン・ダンス・デュオ。ミュージック・ビデオ界を席巻中のクリエイティヴ集団IKIOIとウィル・アイ・アムなどを手掛けるコレオグラフ・チームHidaliとのタッグで次々に発表される映像が話題に。4月2日にレディー・ガガやアイコナ・ポップなどを手掛けるブライアン・リーによるプロデュース曲『Astroboy feat. Honey-B & W-Trouble』でデビュー。
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